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2003 年度 実績報告書

超対称性に基づいた宇宙論の諸問題

研究課題

研究課題/領域番号 14540245
研究機関東京大学

研究代表者

川崎 雅裕  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50202031)

キーワード宇宙論 / 超対称性 / 素粒子的宇宙論 / インフレーション / Qボー
研究概要

最近発表された宇宙背景放射の精密観測(WMAP)のデータに基づいて、観測ともっとも適合するインフレーション宇宙モデルの構築を試みた。新しい観測では密度揺らぎのスペクトルに関して、通常インフレーションモデルで予言されるスケール不変なものと少し異なり、スペクトル指数がスケールに依存する傾向が見られた。そこで、これを説明するために、超対称性理論の枠組みで実現できるダブルインフレーションモデルであるハイブリッド・ニュー・インフレーションを考え、実際に観測された密度揺らぎのスペクトルを説明できることを示した。また、宇宙背景放射の揺らぎにおいて低いマルチポールでの揺らぎが理論予測よりも低かったことに関しても、上のダブルインフレーションモデルで説明できることを示した。また、WMAPの結果から導かれた宇宙のバリオン密度と宇宙の軽元素合成理論から導かれるバリオン密度の整合性を調べ、公表されている最新の軽元素の観測値とその誤差を使うと、理論に予言値と観測値が有意にずれていることを示した。これは観測値に大きなシステマティック・エラーがあるか新しい物理的効果が存在することを示唆している。そこで、後者の立場から元素合成と宇宙背景放射の両方を説明できるシナリオをレプトン数の非対称や元素合成後のバリオン数の増大等を導入することによって作った。さらに、それを具体的に実現するものとして超対称性理論におけるQボール生成に基づくモデルを提案した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Kawasaki, M.Yamaguchi, J.Yokoyama: "Inflation with a running spectral index in supergravity"Physical Review D. 68. 023508-1-023508-10 (2003)

  • [文献書誌] M.Kawasaki, F.Takahashi: "Inflation model with lower multipoles of the CMB suppressed"Physics Letters B. 570. 151-153 (2003)

  • [文献書誌] K.Hamaguchi, M.Kawasaki, T.Moroi, F.Takahashi: "Curvatons in Supersymmetric Models"Physical Review D. 印刷中. (2004)

  • [文献書誌] S.Kasuya, M.Kawasaki, F.Takahashi: "MSSM curvaton in the gauge-mediated SUSY breaking"Physics Letters B. 578. 259-268 (2004)

  • [文献書誌] K.Ichikawa, M.Kawasaki: "Comments on the Evolution of Strongly Degenerate Neutrinos in the Early Universe"Physics Letters B. 570. 154-160 (2003)

  • [文献書誌] A.D.Dolgov, M.Kawasaki: "Can modified gravity explain accelerated cosmic expansion?"Physics Letters B. 573. 1-4 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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