当研究の目由は、重力を含まないKaluza-Kleinの理論において、正則化依存性をコントロールすることができ、量子補正を計算することは、物理的に意味があることなのかを詳しく調査し、Kaluza-Kleinの理論が、量子論としてどういうふうにして意味のある予言をすることができるかを研究するのが目的である。さらに、具体的な高次元の素粒子の模型を考察し、その理論的・現象論的な性質を調査することである。 一般には、Kaluza-Klein理論はくりこみ不可能である。くりこみ不可能な理論には、一般に無限個の独立なパラメータがあり、摂動論の枠組みでは予言力が著しく低い。このような理論を非摂動論的くりこみ群を使って解析し、その予言力について調べた。その結果、理論ができるだけ短い距離まで連続理論として振る舞うように要求すると、摂動論では独立なパラメータとして扱わなければならないものもの間に関係が生じ、その帰結として理論の予言力が向上することを見いだした。この結果は、先ず、4次元以上の空間がコンパクト化されていない場合に得られた。その後、4次元以上の空間がコンパクト化されている場合にも得ることことできた。この結果は、高次元スカラー場の理論で得られたものであるが、現実的なKaluza-Klein理論にも拡張することができ、今後の発展に大きな影響を与えるものであると期待できる。
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