研究概要 |
平成15年度は,前年度からの継続として、Dijkgraaf-Vafaが提案したRiemann面とそれに付随するprepotentialを用いたN=1超対称ゲージ理論のgluino condensationの物理を追究した。前年度A.Morozovと協力して4本の論文を著したが、今年度は菅野と協力してDijkgraaf-Vafaにおけるprepotentialの更なる性質を探求した。 Cachazo-Douglas-Seiberg-Wittenにより、Dijkgraaf-Vafaの提案が純粋に場の理論の枠組みで実現されている。その仕事では行列模型から得られるLoop方程式と同型のanomalous Ward-Takahashi関係式が得られているが、それのみならずshift symmetryによってWard-Takahashi関係式がもう二つ生成される。我々はこの合計3つの関係式すべてを体現する模型を構成することに成功した。この模型はsupereigenvaluemodelと呼ばれている。この模型の性質の更なる解明の一部は藤原和人君の修士論文という形で呈示された。 よく知られているように、N=1超対称ゲージ理論の低エネルギー理論をN=2から得るには、Seiberg-Witten curveにdegenerationが起きなければならない。Curveのfactorizationは、以前から知られていたが、prepotential levelでどういう条件を課せば等価であるのか明らかではなかった。我々はprepotentialのmixed derivativesからできる行列の退化条件が、curveのfactorizationを与えmatrix model curveを導くことを示した。この導出のimplications及び応用についていくつかの議論がなされた。 最後に、最近の進展として、これらの過去二年間の成果を、超対称性が自発的にN=2からN=1へ破れた場合に自然な形で得る作用の構成が我々のgroupでなされた。
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