研究課題/領域番号 |
14540274
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
千葉 雅美 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60128577)
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研究分担者 |
安田 修 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50183116)
上條 敏生 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (70117703)
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キーワード | 超高エネルギー / ニュートリノ / 岩塩 / アスカラヤン効果 / 干渉性チェレンコフ効果 / 電波検出 / 電波減衰長 / 摂動空洞共振器法 |
研究概要 |
高エネルギー電子パルスビームによる岩塩からの干渉性チェレンコフ効果(アルカラヤン効果)の研究を行った。 電子ビーム実験室から計測室までの高周波パルス信号伝送中の雑音混入を防ぐために、実験室で高周波パルス信号をディジタル化し、ローカルエリアネットワーク経由で信号を計測室へ伝送する為、この科学研究補助金でディジタルオシロスコープを購入した。この結果信号伝送中の雑音ピックアップを完全に防止することが出来た。受信機で受ける電波雑音としては加速器の高周波加速用パルスノイズ等と電子パルスビーム近傍にある金属の誘起パルス電波からの放射電波がある。この両者を防ぐためにターゲット岩塩周りの鉄机や鉛シールドからの電波放射を防ぐために電波吸収体で岩塩ターゲットと10GHzホーンアンテナを囲んだ。その結果、雑音電波が減少したが、金属であるホーンアンテナ自身からの誘導放射がまだ残っている。それを減少させる為に岩塩ターゲットとホーンアンテナの距離を遠ざける装置を製作し、次に実験を行う予定です。 比較的少数の電波検出器で巨大質量の超高エネルギーニュートリノ検出器実現に必要なことは、岩塩の電波に対する減衰長が長いことです。減衰の少ない物質の減衰長を測定する最も精度の良い方法の一つは摂動空洞共振器法です。この方法は細い試料を共振空洞に入れた時、入れる前と比べて共振幅が拡大することから電波の試料中の吸収、即ち減衰長を求める。9.4GHzの空洞共振器を使用してオーストリアのハールシュタット、ドイツのアッセ、米国テキサス州ホックレー岩塩鉱等からの試料の測定を行った。さらにこの科学研究費補助金で1GHzの空洞共振器を開発製作した。アッセとホックレー岩塩鉱の試料の測定結果からの推定では100MHzでは1km近くの電波減衰長を示唆している。従って2kmx2kmx2km巨大体積の岩塩鉱を超高エネルギーニュートリノ検出器の媒質として使用出来る可能性が示された。
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