研究概要 |
ナノ構造(Ga, Ge)カルコゲナイド半導体の光物性の申請では、GaSe(セレン化ガリウム)やGeS(硫化ゲルマニウム)等のカルコゲナイド系半導体に注目している。 まず、GaSeのナノスケール微結晶を作り、その光物性を測定するため、ガス中レーザアブレーション法で試料の作成を行った。ガスの圧力を変えて、試料を作成し,ラマン散乱、光吸収、蛍光測定、X線回折測定をおこなった。当初考えていたものと異なることは、基盤を低温にしておくと結晶ではなく非晶質になる点である.アニーリングや基盤温度と結晶化、微結晶のサイズとの関係等の興味ある研究が今後の研究課題に追加される状況である。 GeS系の微結晶化の研究は、レーザアブレーション法による試料について研究が進んでいる。光照射による結晶化、アニーリングによる構造変化等興味ある現象が見られる。不純物を添加した結晶に付いては、現在共同研究者Kerim博士からの試料のラマン散乱を測定し解析中である.不純物濃度が大きくないと、大きな効果は期待できにくい。GaSeに不純物を添加した試料は、Kerim博士のもとで作成中である。 その他に、カルコゲナイド系半導体のナノ構造変化として、欠陥カルコパイライトの研究を、圧力下の構造変化として調べた。ラマン散乱の低波数領域と高波数領域では圧力依存性が異なり,その原因を格子力学の計算から解明できた。圧力の増加とともに、欠陥の配置が、様々な変化をする様子がわかった。また、ビスマス単体のレーザアブレーションによる微結晶の研究も成果を発表できた。 以上に記すような状況であり、今後の進展を楽しみにしており、また期待をしている。
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