研究課題/領域番号 |
14540314
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
間瀬 一彦 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (40241244)
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研究分担者 |
小林 英一 産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 特別研究員 (80319376)
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キーワード | 表面物性 / 放射光 / 電子-電子コインシデンス分光 / X線光電子分光 / オージェ電子分光 / オージェ過程 |
研究概要 |
光電子-オージェ電子・コインシデンス分光法は、特定の光電子放出に由来するオージェ過程を研究する手法であり、特定サイトの内殻電子をイオン化した際のオージェ過程の詳細を解明できる。また、shake up内殻励起に由来するオージェやダブルオージェ、カスケードオージェ、原子間オージェなど確率の小さなオージェ過程も研究できる。このようなオージェ過程の研究は表面多電子励起状態やイオン脱離などの表面ダイナミクスを解明する上で重要である。また、原子間オージェを利用した新しい表面分析法の開発への展開も期待される。 本年度は光電子-オージェ電子・コインシデンス分光器の主構成要素である同軸対称鏡型オージェ電子エネルギー分析器とミニチュア円筒鏡型光電子エネルギー分析器(CMA)の設計と部品の製作を行なった。同軸対称鏡型オージェ電子エネルギー分析器は内電極、外電極、前端板、後端板、補正電極、スリット、MCP、磁気シールドなどから構成され、分解能(E/ΔE)〜100、立体角1.7srである。CMAは内円筒、外円筒、後端板、スリット、チャンネルトロンなどから構成され、直径26mm、分解能(E/ΔE)〜50、立体角1srである。CMAは同軸対称鏡型分析器に同軸同焦点で組込み、xyzステージを介してICF203フランジ上に組み立てる。超高真空槽、試料作製装置、電源、測定用エレクトロニクス、制御用パソコンなど、コインシデンス分光器以外の機器の準備は整っている。コインシデンス分光器の組立、性能評価は来年度以降に行なう予定である。
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