研究概要 |
本研究の目的は,動的クラスター近似(DCA)の手法の適用により,局所的電子相関効果とサイト間相関効果の双方が重い電子系等の強相関格子模型の電子状態に如何に寄与しているかを明らかにすることである.本年度は,昨年度に引き続き計算機プログラムの開発を行い,金属強磁性の問題について知見を得た.また,Prを含む充填スクッテルダイト化合物の光電子スペクトル実験結果の解析を行なった. 1.並列化量子モンテカルロ法のプログラム開発 DCA計算で用いるクラスター不純物アンダーソン模型の解法に量子モンテカルロ法を用い,周期アンダーソン模型のDCA計算の高効率並列プログラムの開発を行っている. 2.金属強磁性合金の電子状態研究 動的平均場近似とコヒーレントポテンシャル近似(CPA)を組み合わせることによって,3d強磁性金属の合金の電子状態を研究した.従来の一体近似計算と比較することによって,電子相関の揺らぎが,キューリ温度の合金濃度依存性に定性的にも寄与していることを示した. 3.充填スクッテルダイトの光電子スペクトル解析 Pr充填スクッテルダイトの共鳴光電子スペクトルをNCA法により解析し,Pr^<3+>イオンの多数の多重項励起状態が光電子スペクトルの共鳴ピークのサテライトに現れることを示した.この研究はバンド構造を考慮する動的平均場計算の出発点となる.
|