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2002 年度 実績報告書

二本足スピン梯子系及び一次元ボンド交替スピン系の動的性質

研究課題

研究課題/領域番号 14540336
研究機関大阪大学

研究代表者

菅 誠一郎  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40206389)

キーワードS=1 / 2スピン梯子 / 動的構造因子 / 4体スピン相互作用 / 数値厳密対角化 / 重い電子系 / 非フェルミ流体 / 乱れた系 / 量子モンテカルロ法
研究概要

今年度得られた主な結果は以下の通りである。
1.数値厳密対角化法を用いて、S=1/2二本足スピン梯子物質La_6Ca_8Cu_<24>O_<41>、SrCu_2O_3における動的構造因子を計算した。La_6Ca_8Cu_<24>O_<41>では等しい強さの鎖間相互作用と鎖内相互作用に加え、その10%程度の強さの4体スピン相互作用がある事が知られている。この4体スピン相互作用によって動的構造因子の強度分布は強い影響を受け、また、孤立モードの存在する波数はπ付近の狭い領域になる事を明らかにした。SrCu_2O_3では帯磁率の温度変化を説明するために、4体スピン相互作用を含むモデルと含まないモデルが提案されている。両者の結果を比べたところ、前者のほうが励起の分散関係がフラットになり、動的構造因子の強度分布もわずかに変化する事が明らかになった。しかし、両者の間に明確な差異は認められないため、SrCu_2O_3の適切なモデルを非弾性中性子散乱実験から決定するのは困難であると考えられる。従って、光学吸収スペクトルなど、動的性質を調べる他の方法による研究の必要性を指摘した。SrCu_2O_3における光学吸収スペクトルの計算結果は現在投稿中である。
2.UCu_<5-x>Pd_x等の重い電子系物質でみられる非フェルミ流体的振る舞いの微視的な起源を調べるために、不純物ポテンシャルを含むアンダーソンモデルの帯磁率を量子モンテカルロ法で調べた。その結果、以下の事が明らかになった。(1)観測される帯磁率は温度低下に伴い、乱れの程度に依存して対数発散か弱い冪発散を示す、(2)乱れの程度が大きくなるにつれて近藤温度の空間的分布広がり、近藤温度がゼロでの重みも増大する。これらの結果は実験結果を定性的に説明する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nobuyasu Haga: "Dynamical structure factors of the magnetization plateau state in the S=1/2 bond-alternating spin chain with a next-nearest-neighbor interaction"Physical Review B. 65. 014414-1-014414-7 (2002)

  • [文献書誌] Takuma Ohashi: "Susceptibility of a magnetic impurity in two-dimensional disordered electron systems"Journal of the Physical Society of Japan. 71・5. 1246-1249 (2002)

  • [文献書誌] Nobuyasu Haga: "Dynamical structure factors of S=1/2 two-leg spin ladder systems"Physical Review B. 66. 132415-1-132415-4 (2002)

  • [文献書誌] N.Haga: "Dynamical Properties of field-induced ordered states in S=1/2 one-dimensional quantum spin systems"International Journal of Modern Physics B. 16. 3321-3324 (2002)

  • [文献書誌] Sei-ichiro Suga: "Dynamics and incommensurate spin correlation of the magnetization plateau state in the S=1/2 bond-alternating spin chain with a NNN interaction"Progress of Theoretical Physics Supplement. 145. 130-133 (2002)

  • [文献書誌] Nobuyasu Haga: "Dynamics of S=1/2 two-leg spin ladder systems"Progress of Theoretical Physics Supplement. 145. 278-281 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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