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2003 年度 実績報告書

ハイゼンベルグスピングラスの低温相の構造

研究課題

研究課題/領域番号 14540349
研究機関東北大学

研究代表者

松原 史卓  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90124627)

研究分担者 白倉 孝行  岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (90187534)
中村 統太  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50280871)
キーワードスピングラス / 基底状態 / 低エネルギー励起状態 / 遺伝的アルゴリズム / モンテカルロ法
研究概要

スピングラスの低温相の解明のために以下の研究を行った。
1.絶対零度に於けるエネルギー構造の研究
スピングラス描像に関して「平均場描像」と「液滴描像」の2説があり盛んに議論されている。2説の大きな違いは、平均場描像が縮退した多くの基底スピン状態(パリジ状態)の存在を主張するのに対して、液滴描像は唯一つの基底状態を主張する点にある。我々は前年度に開発した「遺伝アルゴリズム」により基底状態と低エネルギー励起状態を調べた。結果、パリジ状態が存在することが明らかになった。これは平均場描像を支持する。
2.パリジ状態の研究
各々のパリジ状態は無限大のエネルギー障壁で隔てられており、その近傍では系は普通の強磁性相と同様に振る舞と考えられている。しかし、これを確かめた例はない。我々は先に求めたパリジ状態からの励起を調べ、それが強磁性相からの励起状態と類似な性質を持つことを明らかにした。
3.スピングラス相転移の指標の探索
相転移の指標としてビンダー比がある。イジングスピングラスではビンダー比の交差から相転移温度が評価されている。しかし、ハイゼンベルグスピングラスではそれが使えず、スピングラス研究の一つの謎である。我々は、スピンの対角成分に着目したビンダー比を計算しそれが転移温度で交差することを明らかにした。
4.相転移の臨界指数の研究
相転移の性格はその臨界指数α,β,ν,γ等の値さ現される。我々はハイゼンベルグスピングラスの臨界指数ν,γを非平衡緩和法を使って評価し、γ/ν=2.4を得た。これは驚くべきことにモデル(イジング、XY、ハイゼンベルグ)に依らないものであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takayuki Shirakura, Fumitaka Matsubara: "Binder parameter of a Heisenberg spin-glass model in four dimensions"Physical Review B. 67. 1004051-1004055 (2003)

  • [文献書誌] F Matsubara, T Shirakura, S Endoh, S Takahashi: "Three-Dimensional Heisenberg spin-glass models with and without Random anisotropy"Journal of Physics A : Mathematical and General. 36. 10881-10893 (2003)

  • [文献書誌] Tota Nakamura, Shin-ichi Endoh, Takeo Yamamoto: "Weak universality of spin-glass transitions in three-dimensional ±J models"Journal of Physics A : Mathematical and General. 36. 10895-10906 (2003)

  • [文献書誌] F Matsubara, T Shirakura, Y Baba: "Parisi states in a Heisenberg spin-glass model in three dimensions"Journal of Physics A : Mathematical and General. 37. L1-L6 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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