研究課題/領域番号 |
14540358
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鏑木 誠 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40093504)
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研究分担者 |
康 敏 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60290425)
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キーワード | 計算物性物理 / 低次元量子スピン系 / 競合スピン系 / カイラル相 / 数値的厳密対角化 / DMRG / 修正スピン |
研究概要 |
我々は、競合する第1近接(J1)および第2近接(J2)相互作用を持つ1次元S=1XXZ量子スピン系のHeisenberg領域およびXY領域(における基底状態を調べ、XY領域のJ2/J1が大きい所で、古典的なヘリカル秩序は無く、隣接スピン間のカイラリティのみが長距離秩序となる新しい「カイラル秩序相」を密度行列繰り込み群(DMRG)等を用いた数値的解析により発見した。本研究の目的は、申請者達が発見したこの「カイラル秩序相」に関して、1)ハミルトニアンに含まれる相互作用空間での存在領域、2)発現機構、3)励起状態の性質、4)磁化過程等を明らかにする事によって、その物理的描像を確立することである。昨年度に引き続き、本年度は、新しい秩序相の発現機構を明らかにするため、以下のことを行った。 1)1イオン性異方性があるS=1競合系イジング模型における磁化課程の解析より、長周期構造の出現範囲の確定。 2)S=1/2強磁性的XXZデルタChainの基底状態の解析。 3)強磁性的競合スピン鎖の修正スピン波による解析。 これらの実績により、カイラル相は古典系描像に限りなく近いものであることが、判明した。強磁性的XXZデルタChainにおいてもカイラル相に相当する中間相の存在を明らかにした。また、任意の拡さの相互作用をもつ競合系強磁性的スピン鎖の修正スピン波による解析を行い、比熱、帯磁率などの低温での特徴を明らかにした。なお、当初の計画したKOBEPACKおよびDMRGを用いた数値解析は収束性が悪く、現在、そのアルゴリズムを改良中である。なお、改良中のKOBEPACKおよびDMRGプログラムは、この研究の成果として最終的にはパッケージ化して公開する予定である。
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