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2002 年度 実績報告書

2次元電子格子系におけるパイエルス歪みと非線形局在励起

研究課題

研究課題/領域番号 14540365
研究機関東邦大学

研究代表者

小野 嘉之  東邦大学, 理学部, 教授 (30011761)

キーワード2次元電子格子系 / パイエルス転移 / ポーラロン / バイエルス歪み / ネスティングベクトル / 金属絶縁体転移 / エネルギーギャップ / 電荷密度波
研究概要

当初の研究計画では,2次元電子格子系の音響ポーラロンのダイナミクスについての研究を進める予定であったが,基礎となる1次元電子格子系においても音響ポーラロンやバイポーラロンの動的振る舞いについて調べるべきことが残っていることがわかり,今年度は主として1次元系のダイナミクスを解析した。その中で,得られた重要な知見は,複数のバイポーラロンやポーラロンの衝突に関するもので,電子格子結合定数や電子間斥力パラメータ,衝突前の相対速度等の因子に応じて,単純反発,素通り,ポーラロンのバイポーラロンへの結合等多彩な振る舞いが起こりうることを確認した。また,不純物ポテンシャル障壁に衝突する音響ポーラロンが,電子格子間結合の弱い領域でポーラロンとしてトンネル現象を起こし得ることを数値シミュレーションによって示した。
2次元電子格子系で電子バンドが半分満たされている場合ののパイエルス転移については,これまで絶対零度でのみ確かめられていたパイエルス歪みの構造(ネスティングベクトル以外のモードも含む多モード歪み)が、有限温度においても最低自由エネルギー状態として存在することを確かめ,更に転移温度に向かって温度を上げていくときに,異なる波数を持った歪みの成分がすべて同時にある臨界温度で連続的に消失することが明らかになった。この成果を受けて,高温側から臨界温度に近づけた場合のフォノン周波数のソフト化に関しても線形モードの解析を行い,低温側での歪みに対応して,多数のフォノンモードが同時にソフト化するという現象を発見した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 小澤利行, 小野嘉之: "Collisions among Acoustic Polarons and Acoustic Bipolarons in One-Dimensional Electron-Lattice System"J. Phys. Cos. Jpn.. 71. 1518-1528 (2002)

  • [文献書誌] 小野嘉之, 小澤利行: "Coulomb blockade effect in collision of two acoustic polarons"Physica E. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 小野嘉之, 海老沼崇, 小澤利行: "Quantum Tunneling of an Acoustic Polaron in One-Dimensional Electron-Lattice System"Proc. 283th International WE. Heraeus Seminar on Localisation, Quantum Coherence and Interactions. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 小野嘉之: "金属絶縁体転移"朝倉書店. 212 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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