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2003 年度 実績報告書

局在化基底による新しい固体電子励起状態計算手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14540368
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

片桐 秀樹  独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (60344206)

研究分担者 石田 俊正  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所・分子スケールナノサイエンスセンター, 助教授 (50212890)
FERDI Aryasetiawan  独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (90356387)
キーワード第一原理 / 局在化基底 / 電子状態 / 励起状態
研究概要

前年度から局在化基底(ガヴス基底関数)を用いた周期境界条件による第一原理固体電子状態計算のプログラム開発を行っている。昨年度までに計算に必要な数式の導出を行い、1次元のHartree-Fock結晶軌道法、積分変換、二次のMoller-Plesett摂動法、coupled-cluster(CC)法、equation of motion CC(EOM-CC)法のプログラムの基本的な動作確認を行った。今年度は引き続いてプログラムの整備・改良を進めた。開発しているプログラムの計算量が非常に多いため、実際のアプリケーションでは並列計算機を有効に活用する必要がある。そのために全てのプログラムについてOpenMPによる並列化を行った。その結果、共有メモリ型の計算機(例えばOrigin2000)で高速に実行することが可能となった。また、メモリ使用量を削減する等、プログラム全般を見直して実行効率の改善を図った。現時点でOrigin2000/32CPUにおいて、ピーク性能の10%弱の性能が出せるようになり、200程度の軌道数(5つのk点で40軌道相当)が扱えるようになった。プログラムの性能をもう少し向上させることができれば、Origin2000で300軌道程度、SR11000等ではさらに大きな問題が解けるようになると考えられる。
開発したプログラム群を用いて水素原子の1次元鎖の電子状態計算を行い、coupled-cluster法による基底状態のエネルギーがk点の増加に対して収束することを確認した。また、full-CIのエネルギーとの比較を行い、coupled-cluster法のエネルギーがfull-CIエネルギーの良い近似値となっていることも確認した。これらの結果については7/20-26にドイツ・ボンで開催された第11回ICQC国際会議で発表した。
また、より現実的な系への適用例として、ポリエチレンの励起状態計算を行った。周期境界条件による計算と同時にオリゴマーを用いた計算を行い、両者のエネルギーの比較を行った。その結果、両者のエネルギー差が周期系においてはk点の増加、オリゴマーにおいては分子長の増加に対して減少していくことを確認した。最低一重項エキシトン状態の励起エネルギーは最小基底関数を使った場合で15eV程度、double-zeta基底で11eV程度という結果が得られており、現在投稿準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] F.Sottile, K.Karlsson, L.Reining, F.Aryasetiawan: "Macroscopic and microscopic components of exchange-correlation interact ions"Phys.Rev.B. 68・20. 205112-11-205115-10 (2003)

  • [文献書誌] T.Ishida, G.C.Schatz: "A local interpolation scheme using no derivatives in potential sampling : application to O(D-1)+H-2 system"J.Comput.Chem.. 24・9. 1077-1086 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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