研究課題/領域番号 |
14540368
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
片桐 秀樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (60344206)
|
研究分担者 |
ARYASETIAWAN Ferdi 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (90356387)
石田 俊正 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 助教授 (50212890)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
キーワード | 電子状態理 / 励起状態 / 電子相関 / 結合クラスター理論 / 密度汎関数法 / 時間依存密度汎関数法 / 第一原理計算 / 高分子 |
研究概要 |
本研究課題では、ガウス基底関数を用いた高分子の励起状態の第一原理計算法を開発したほか、固体の励起状態計算手法に関して様々な手法を提案した。概要は以下の通りである。 1.ガウス型基底関数を用いたHartree-Fock結晶軌道理論、結合クラスター(coupled-cluster)理論、及びequation-of-motion coupled-cluster理論を用いて、一次元周期系で励起状態を計算する手法を開発した。これによって電子相関を高精度に取り込んだ高分子の励起状態計算が可能となった。ポリエチレンにこの手法を適用し、計算された励起エネルギーの値が実験値と良く一致することを示した。 2.スピン非制限型密度汎関数法でポリジアセチレンの電子状態を計算し、アセチレン型とブタトリエン型の中間の構造で二つのスピン密度波の状態が存在すること、それらに対応するポテンシャルエネルギー関数が大きく異なっていることを明らかにした。 3.ベーテ・サルピータ方程式と密度汎関数法を用いて励起状態を求める手法について、electron-hole相互作用を局所的な相互作用として近似することにより、計算を簡略化する方法を提案した。 4.動的平均場理論とGW近似を組み合わせて強相関物質の励起状態を計算する手法を提案した。LMTO法を用いたNiの電子状態計算に適用し、実験のバンドエネルギーと良く一致することを示した。 5.時間依存密度汎関数理論における交換相関核f_<xc>を二次元Hubbardモデルの解から求め、エネルギー依存性を調べた。多体励起に伴う励起ピークが見られるエネルギー領域では、f_<xc>が大きなエネルギー依存性を持っていることを明らかにした。
|