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2003 年度 実績報告書

流体線と面の伸張統計と乱流混合

研究課題

研究課題/領域番号 14540385
研究機関京都大学

研究代表者

木田 重雄  京都大学, 工学研究科, 教授 (70093234)

研究分担者 河原 源太  京都大学, 工学研究科, 助教授 (50214672)
後藤 晋  核融合科学研究所, 理論シミュレーション研究センター, 助手 (40321616)
キーワード乱流混合 / 管状渦 / 反平行渦 / 流体線 / 流体面 / 伸張率
研究概要

強い混合能力は乱流の重要な特性のひとつである。それは,大気や海洋における汚染物質の浄化作用や,内燃機関における燃焼効率の促進,など実用的に重要であるとともに,ランダム変動する場の確率過程として数理物理学的な基本問題を提供する。本研究は,乱流における混合のダイナミックスの理解とその統計的性質の定量的な記述を主たる目的としている。すなわち,混合は流れのどのような部分でもっとも盛んに起こっているか,混合効率の促進や抑制は如何にして可能であるかなどを解明する。
昨年度は,流れの中でパッシブに流される物体の挙動を調べるために,もっとも基本的な幾何形状をもつ流体線と流体面を取り上げ,それらの乱流による変形ならびに伸張の数値シミュレーション可視解析を行い,パッシブ物体の伸張率を精度よく求めるためには,乱流運動の間欠性を考慮しなければならないことを統計的に明らかにした。本年度は,その間欠性の影響が乱流のどのような運動形態によってもたらされるかを具体的に示した。すなわち,乱流中には細長い管状の領域に渦度が集中した,いわゆる渦管が散在しているが,それらはしばしば渦度が互いに逆向きになるように接近し,乱流場の中を彷徨する。この反平行渦対の進行方向の前後に生起される双曲的よどみ点で強い伸張の生じることを理論ならびに数値的に示した。
さらに,流体線の伸張率のレイノルズ数依存性を調べると,レイノルズ数がある値(テイラー長レイノルズ数で100の程度)まではレイノルズ数の緩い増加関数であるが,レイノルズ数がその値より大きくなると伸張率は急激に増加するという驚くべき現象を発見した。この現象は,さまざまな乱流で普遍的に観測されるいわゆる乱流の混合遷移ではないかとわれわれは推測している。このことを説明するため,乱流に内在するさまざまなスケールのレイノルズ数依存性を現在調査中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Goto, S.Kida: "Enhanced stretching of material lines by antiparallel vortex pairs in turbulence"Fluid Dynamics Research. 133・5-6. 403-431 (2003)

  • [文献書誌] 後藤晋, 木田重雄: "反平行渦対による流体線の伸張促進"京都大学数理解析研究所講究録. 1339. 172-184 (2003)

  • [文献書誌] 河原源太, 木田重雄: "平面クエット流の不安定周期解"京都大学数理解析研究所講究録. 1339. 35-43 (2003)

  • [文献書誌] 木田重雄: "乱流要素渦---低圧力渦を通して見えてきたもの"パリティ. 18. 13-19 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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