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2002 年度 実績報告書

室内実験と数値実験によるアスペリティの連動性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14540392
研究機関東京大学

研究代表者

吉田 真吾  東京大学, 地震研究所, 助教授 (20202400)

研究分担者 加藤 愛太郎  海洋科学技術センター, IFREE, 研究員 (20359201)
中谷 正生  東京大学, 地震研究所, 助手 (90345174)
加藤 尚之  東京大学, 地震研究所, 助教授 (60224523)
キーワードアスペリティ / 非地震性すべり / 間欠的すべり / 相互作用 / 速度・状態依存摩擦構成則
研究概要

最近の研究により,アスペリティは場所に固有であること,アスペリティと非地震性すべり領域とが棲み分けているらしいこと,東海地域のプレート境界では非地震性すべりが間欠的に発生していたことなどがわかってきた.本研究の目的は,室内実験と数値実験によりアスペリティと非地震性すべり領域との相互作用について明らかにすることである.相互作用を考えるための最小のユニットである,ふたつの要素からなるシステムについて検討した.
大型剪断試験機を用い,長さ1mの花崗岩の模擬断層面に摩擦特性の異なる領域を分布させ,すべり実験を行った.模擬断層面のうち,半分の領域に薄いテフロンシートを挟み,速度・状態依存摩擦構成則のパラメータa-bが正となるようにし,残り半分の領域は花崗岩どうしを直接接触させ負になるようにした.a-b<0の領域はアスペリティ的に振舞い,固着すべりを起こした.a-b>0の領域では,アスペリティでの動的すべりにより応力が急激に上がり,それを緩和しながら顕著な余効すべりが起こった.この非地震性すべり領域でも,アスペリティでの動的すべりに連動し地震時すべりを起こすが,地震時すべり量はアスペリティから離れるほど小さくなっており,実際の地震と同様の挙動を示す.
次に,ふたつのブロックをバネで連結し,ドライバーをゆっくり動かしていくモデルを使った数値実験を行った.a-b<0のブロックとa-b>0のブロックを仮定し,適当な摩擦パラメータを仮定すると,室内実験でみられたアスペリティと非地震性すべり領域の相互作用による余効すべりを定量的に再現できた.また,パラメータが安定・不安定境界に近いとき,間欠的な非地震性すべりを起こすことを示した.
以上の結果等から,摩擦構成則パラメータの値によって,様々なすべりモードの棲み分けが決まると考えられる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kato, N.: "Seismic cycle on a strike-slip fault with rate-and state-dependent strength in an elastic layer overlying a viscoelastic half-space"Earth Planets and Space. 54・11. 1077-1083 (2002)

  • [文献書誌] Kato, N., T.E.Tullis: "Numerical simulation of seismic cycles with a composite rate-and state-dependent friction law"Bull.Seismol.Soc.Am.. 93・2(in press). (2003)

  • [文献書誌] Kato, A., M.Ohnaka, H.Mochizuki: "Constitutive properties for the shear failure of intact granite in seismogenic environments"J.Geophys.Res.. 108/B1. ECV14-1-ECV14-15 (2003)

  • [文献書誌] Kato, A., S.Yoshida, M.Ohnaka, H.Mochizuki: "The dependence of constitutive properties on temperature and effective normal stress in seismogenic environment"Pure, Appl.Geophys.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] 菊地正幸, 吉田真吾, 他9名: "地殻ダイナミクスと地震発生"(株)朝倉書店. 222 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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