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2003 年度 実績報告書

地球深部構成物質の高圧高温での熱定数測定

研究課題

研究課題/領域番号 14540401
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

大迫 正弘  国立科学博物館, 理工学研究部, 室長 (60132693)

キーワードマントル物質 / 熱伝導率 / 熱拡散率 / 比熱容量 / 高圧力 / 川井式装置
研究概要

測定法は、円盤形状試料を3枚重ねて試験片とし、一つの合わせ面をパルス加熱し、もう一方の合わせ面で温度変化を検出して、熱拡散率と熱伝導率を同時に求めるものである。今まではストレイジオシロスコープの記録を画面から読み取とっていたので、測定精度の限界は両者とも4%であった。デジタルデータを用い試料の温度変化を表わす級数を15項までとって最小自乗法で再計算したところ、測定精度は2%にまで向上した。
これまでのところ、熱拡散率の圧力による増加率は1GPaにつき、カンラン石:3-4%、ザクロ石:〜3%、また熱伝導率について、カンラン石:〜4%、ザクロ石:〜3%となった。これらの値は、今までのいくつかの高圧での熱伝導率または熱拡散率の測定結果や理論による推定値とも合い、マントル物質において熱伝導に対する圧力効果はほぼこの値に落ちついたと見ることができる。
熱拡散率と熱伝導率を同時に測定しているので、高圧下のマントル物質の比熱の値とその圧力依存性を求めることができる。これで求めたカンラン石とザクロ石の比熱の値は既存の実測値とよい一致を見ている。また、比熱の圧力変化を見ると、カンラン石についての圧力微分は負の値を示し、熱力学関係で求めた比熱の圧力変化と矛盾しない。このようにパルス加熱法により、小さい試料で高圧下の熱拡散率と熱伝導率の同時測定から、高圧では測定が難しいと見られているマントル物質の比熱を求める見込みのあることがわかった。測定回路と解析法を工夫したので、精度の向上が見込める。これまでの測定では加圧の初めのところで試料セル内での子期しない変形や変位による影響と思われる系統誤差が見られ、測定値のばらつきの最大の要因となっている。この点を克服すれば、地球内部の状態の議論に使える比熱のデータを出せるようになるであろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masahiro Osako, Eiji Ito, Akira Yoneda: "Simultaneous measurements of thermal conductivity and thermal diffusivity for garnet and olivine under high pressure"Physics of the Earth and planetary interiors. (doi:10.1016/j.pepi.2003.10.010) (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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