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2002 年度 実績報告書

位置追跡浮子を用いた海洋表層の粒子分散過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14540403
研究機関東京大学

研究代表者

道田 豊  東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20323628)

キーワード海洋表層 / 拡散 / 漂流ブイ / GPS / 海水交換 / 漂流予測 / 拡散係数
研究概要

海洋表層の物質あるいは粒子状物体の分散現象について、高精度でその位置を追跡することができる漂流浮子を多数放流する実験を行い、個々の浮子運動の記述を行うことにより、粒子群の分散を支配するパラメータとしての拡散係数の再評価及び、そのパラメータを与える各粒子の運動の実態を解明することが本研究の目的である。そのための第一歩として、位置を高精度で計測できるGPSを搭載した小型の漂流浮子を開発し、その運動特性に関する実験を行った。実験海域は、平水海域として浜名湖、静穏沿岸域として岩手県大槌湾を対象とした。2002年8月の浜名湖における実験では、極めて静穏な湖上条件であったが、浅い水深に対応するため水中の抵抗体を短く工作したために、湖水特有の短い周期の波による浮子の振動が激しく、必ずしも十分な計測データが取得できなかった。これについては、原因が解明されたため浮子の設計を改良した。2002年7月(夏季)と2003年1月(冬季)に大槌湾で行った実験では、湾内の数百m四方程度の領域に4から6個の位置追跡浮子を放流し、いずれも計測データが取得された。夏季と冬季では成層状態などの海況条件が異なるほか、実験当日の気象条件も大きく違い、異なる条件のもとでの粒子分散に関する資料が得られた。予備解析の結果、単純に収束または発散するといった分散形態ではなく、数百mという比較的小さな空間スケールの中でも異なる粒子分散の様子が観察されるなど、本研究提案の時点で問題提起したとおり、染料の拡散実験では捉えきれないようなプロセスが存在していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Michida, Y., H.Ishii: "A practical method of current measurement with three-beam type shipmounted ADCP"Journal of Advanced Marine Science and Technology Society. Vol.7. 29-44 (2002)

  • [文献書誌] Michida, Y., H.Yoritaka, T.Suzuki: "An estimation of wind-driven component in the North Pacific subpolar gyre"Proceedings of 17^<th> International Symposium on Okhotsk Sea and Sea Ice. 38-43 (2002)

  • [文献書誌] 道田豊, 寄高博行: "漂流ブイによる北太平洋亜寒帯の吹送流の評価"月刊海洋. 号外32. 21-25 (2003)

  • [文献書誌] 鈴木亨, 小熊幸子, 永田 豊, 道田 豊, 寄高博行: "ADCP観測データで見る北太平洋亜寒帯西部における表層循環の季節変動"月刊海洋. 号外32. 26-31 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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