研究課題/領域番号 |
14540418
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
宮岡 宏 国立極地研究所, 情報科学センター, 助教授 (10150046)
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研究分担者 |
竹下 秀 東海大学, 総合科学技術研究所, 講師 (80366046)
岡田 雅樹 国立極地研究所, 情報科学センター, 助手 (40270425)
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キーワード | オーロラ微細構造 / 狭視野イメージャー / 局所的電場構造 / EISCATレーダー |
研究概要 |
本年度は3か年計画の2年次として、カールやブラックオーロラなど特徴的な微細構造を持つオーロラの動画像解析を進めるとともに、EISCATトロムソ観測所において、UHFレーダーと狭視野オーロラカメラによるオーロラ微細構造の同時観測をトロムソ大学の海外共同研究者と協力して実施した。 オプティカルフロー検出アルゴリズムを用いたオーロラ動画像の速度場解析を進め、直径1km程度のカール(最小規模のオーロラ渦構造)の生成消滅過程を33msec(30Frame/sec)の高時間分解能で捉えることに成功した。この成果は、2003年6月に開催されたIUGG国際会議(札幌)で報告するとともに現在投稿準備中である。 2003年11月および2004年2月に実施したレーダー/光学同時観測では、高解像度の狭視野デジタルカラーカメラに加えて全天デジタルカメラによる観測を実施した。磁気天頂方向に固定したUHFレーダービームの直径は約1km(高度100km)、狭視野デジタルカラーカメラの視野範囲は約30km×20kmである。2月期の観測では狭視野カメラの撮像間隔の短縮化を行い、約1秒毎の連続撮像が実現した。一方、UHFレーダーデータについてはS/N確保の観点からこれまで積分時間を20秒以下にするのが困難であったが、2重差分法を用いて等価的に4秒毎の物理量変化を議論できるようになった。これによりレーダー観測データとオーロラ微細構造の直接比較が可能となり、強いディスクリートアークの両側に約10kmスケールのイオン温度上昇域があること、逆にブラックオーロラではそうした明瞭なイオン温度上昇が見られないことを示唆する観測事実などが見いだされた。これらは、オーロラ微細構造の生成に関わるエレクトロダイナミクスの遠隔探査手法としてのHISCATレーダーの有用性を示すもので、今後一層の発展が期待される。
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