平成14年度の研究実績の概要は以下の通りです。 1.主要活断層・剪断帯の野外調査:東北日本の主要活断層・剪断帯のフラクタル特性の測定と剪断帯の空間分布に関する調査を行った。この調査の際、次年度に行う剪断変形岩の解析地点を選定精査した。 2.断層パラメータ(破砕物の厚さ・断層の長さ・移動量・断層内物質(断層面形状も含む)のフラクタル特性・起震時マグニチュード)の調査見積り:各サイズの断層系を詳細に調査し断層パラメータ間の相関から起震時の応力降下値や活動の再来周期を見積った。また、断層内物質中の最大破砕物と各断層パラメータとの相関をもとめた。剪断変形岩(畑川マイロナイト)中の内部構造(S-Cファブリック)などから起震時の地殻の強度(剪断強度)を見積もった。 3.剪断変形岩のフラクタル電磁気的特性の予備的測定:現有の岩石誘電率測定器(LCRメータ)を用いて(平成14年度研究計画1と連動して)、フラクタル電磁気的特性(岩石比抵抗・岩石帯磁率・岩石誘電率・岩石インピーダンス)剪断変形岩の予備的測定を行った。また、コアラーにて採取した剪断変形岩の帯磁率異方性を現有の岩石帯磁率測定器を用いて測定した。さらに、ペグマタイト石英や花コウ岩の破壊に伴う電磁気シグナルや、熱ルミネッセンスやIRなどの電磁気的物理量の予備的測定も行った。ペグマタイト石英や花コウ岩の破壊に伴う電磁気シグナルの測定のため、測定データのレコーダー・石英鉱物・コアラービット・データ解析用ソフト・各種パソコン周辺機器の購入に平成14年度科学研究費を使用した。
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