研究概要 |
1 バナジン酸塩ガーネットを分類した.Type1:{A^<+3>}[M^<3+>_2](V_3)O_<12>,Type2:{A^+_2A^<2+>}[M^<2+>M^<3+>](V_3)O_12,Type3:{A^+_2A^<3+>}[M^<2+>_2](V_3)O_<12>,Type4:{A^+A^<2+>_2}[M^+M^<3+>]-(V_3)O_<12>,Type5:{A^+A^<2+>_2}[M^<2+>_2](V_3)O_12,Type6:{A^<2+>_3}[M^+M^<2+>](V_3)O_<12>,Type7:{□_<0.5>A^<2+>_<2.5>}[M^<2+>_2](V_3)O_<12>,A^+=Li^+,Na^+,K^+,Cu^+,Ag^+Tl^+;A^<2+>=Ca^<2+>,Sr^<2+>,Cd^<2+>,Pb^<2+>;A^<3+>=Cr^<3+>,Ln^<3+>,Y^<3+>,Bi^<3+>;M^+=Li^+;M^<2+>=Mg^<2+>,Mn^<2+>,Co^<2+>,Ni^<2+>,Cu^<2+>,Zn^<2+>,Cd^<2+>;M^<3+>=Sc^<3+>,Cr^<3+>,Fe^<3+>. Type3〜Type7についてイオン置換の検討を実験的に行い,数十種類新たに合成することに成功した. 2 モルフォロジーについては,{NaCa_2}[M_2](V_3)O_<12>M=Ni,Mg,Co,Cu,Zn,Mn,Cdについて実験した.まず,溶解度を測定した.フラックス法では30mlのルツボに原料とフラックスを20g入れて実験した.溶解度曲線を利用して非常に薄い濃度で0.002gという極微量の結晶を得ることから平衡形に近いモルフォロジーを得た.その結果M=Ni,Mg,Coでは,高温では{211},低温では{110}が優位なF面であることが分かった.このF面の転移温度はM=Ni,Mg,Coの順に高温から低温になった.温度依存性に関しては,構造中の8配位12面体と6配位8面体の大きさの温度依存性を検討することで現象が説明できた.また,結晶を大きくすると,高温では{211}面に加えて{110}面が見られるようになり,低温では{110}}面に加えて{211}面が見られるようになった.この現象は成長過程における表面カイネティクス,つまり,前者はGendelevモデル,後者はSunagawaモデルで説明された.
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