研究課題
基盤研究(C)
蛋白質の会合に関連しているアクチンは、高塩濃度の溶液中において会合によりフィラメントを自発的に形成する。近接したアクチン2分子間に働く高分子込み合い効果起因の平均力を、溶液理論の一つである拡張scaled particle theory(XSPT)を用いて計算した。その結果、X線小角散乱により予想されている、溶液中のダイマーがとる2分子相対配置が計算では最も安定となった。また、クラウダー(ここではアクチン単分子)の空間充填率が高濃度(空間充填率が0.6以上)では安定化される2分子の相対配置がフィラメント内での軸方向の相対配置と一致し、低濃度と異なる結果となった。つまり、高分子込み合い効果でのクラウダーに対するダイマーの排除体積の大小のみで議論できないことがわかった。XSPTにおいて排除体積の仮想的スケーリングに関する関数形の導出のため-に、情報処理理論である計算幾何学でのαシェイプが用いられた。このことにより、蛋白質分子の立体構造の変化に伴う形状の変化を直接計算に取り入れることが可能になっている。Fundamental measure theory(FMT)と呼ばれる密度汎関数理論の二つの表現が、ひとつの項を除いてXSPTと全く同じになることが今回の研究でわかった。αシェイプの手法をFMTにも同様に適応した結果、XSPTの結果とFMTの結果は正しいと予想される高分子込み合い効果起因の平均力ポテンシャルの値を挟み込む形で値を与えることがわかった。
すべて 2005 2003
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