研究課題/領域番号 |
14540489
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
樋口 弘行 富山大学, 理学部, 教授 (00165094)
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研究分担者 |
谷 敬太 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (60207165)
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キーワード | オクタエチルポルフィリン / ジヘキシルビチオフェン / ジアセチレン / 拡張共役系 / カップリング / 配向異性体 / エネルギー移動 / 電子移動 |
研究概要 |
本年度は、電子やエネルギーの供給源としてオクタエチルポルフィリン環1(OEP-M1)、機能性発現成分として標準自由エネルギーがOEP-M1とは異なるOEP-M2を選択し、OEP-M1からOEP-M2の方に向かって電子やエネルギーの移動が特異的に起こる拡張共役系を構築する目的で分子設計及びその合成経路の確立を計画した。その際、電子やエネルギー移動を効率よく制御する成分としてジヘキシルビチオフェン環(DHBTh)の3種の配向異性体を採用し、OEP-M1及びOEP-M2の各構成成分を共役の拡張に最適なジアセチレン結合により架橋する手法を採用した。本拡張系(OEP-M1)-(DHBTh)-(OEP-M2)誘導体におけるDHBTh成分はあらゆるジアルキルビチオフェン環(DABTh)にも置き換えられるので、本誘導体の合成手法が確立できると、原理的には無限段階の制御効率をもつ電子やエネルギー移動のための分子素子の構築が可能となる。 本拡張共役系誘導体の合成は、最終段階において(OEP-M1)-(DHBTh)と(OEP-M2)各成分の末端アセチレン体同士の酸化的クロスカップリング反応により導くことを計画した。前者成分の末端アセチレン体の調製は二経路を検討したが、本拡張系を構成する3成分を架橋するエチニル基を官能基変換により段階的に導入する経路により安定に供給する手法を確立した。その結果、表題誘導体(OEP-M1)-(DHBTh)-OEP-M2)の各配向異性体の合成を行なうとともに、本法の適用により種々の機能性部位となるパイ成分を組み込んだ非対称型ポルフィリン拡張共役系誘導体の構築にも成功した。
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