研究課題/領域番号 |
14540491
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
高部 圀彦 静岡大学, 工学部, 教授 (30022239)
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研究分担者 |
間瀬 暢之 静岡大学, 工学部, 助手 (40313936)
依田 秀実 静岡大学, 工学部, 助教授 (20201072)
渡辺 修治 静岡大学, 農学部, 教授 (90230979)
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キーワード | アザピラノース / 酸素的不斉導入 / 酵素阻害活性 / アルカロイド / アザシュガー / 薬理活性 |
研究概要 |
アザピラノース類は、生体内で重要な働きをしている酵素に対して著しい阻害活性を示すことから、エイズ、アルツハイマーなどの難病治療薬として期待されている。 今年度は、グルコシダーゼおよびβ-セクレターゼに対して阻害活性を有するIsofagomine、およびParoxetineをターゲットとして、リパーゼによる酵素的不斉導入反応を利用したChemoenzymatic合成について検討した。その結果、以下のような知見が得られた。 1.アザピラノース類合成の原料となるマレイミドおよびシトラコンイミドの化学的還元反応について、還元剤の種類により位置選択的な還元が起こることが明らかとなった。さらに、生成したヒドロキシラクタムの酵素的不斉エステル化反応による速度論的光学分割反応により、極めて高いeeと収率でキラルなアセトキシキシラクタタムを合成することができた。 2.2位にアルキル基を有する1,3-プロパンジオール誘導体のリパーゼによるエステル交換反応を利用してキラルなビルディングブロックを合成し、これより数段階を経る化学合成により、Isofagomine、Paroxetineの共通の中間体であるγ-ベンジロキシメチル-α,β-不飽和δ-ラクタム1を合成することに成功した。 3.アザシュガーであるIsofagomineの合成については、Boc化された1の二重結合を酸化することにより1のエポキシ化およびジオール化を行い、Isofagomine誘導体を合成した。しかし、水酸基の導入の際の立体選択性に問題があり、現在、その解決方法を検討している。 4.Paroxetineの合成については、Boc化された1へのP-fluorophenylmagnesiumのMichael付加反応を行い、立体選択的にParoxetine前駆体の合成を行うことができた。今後、この官能基変換によりParoxetineへ誘導する。
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