研究概要 |
1.テトラアザ[14]アヌレン及びその金属錯体の合成…o-フェニレンジアミン、アセチルアセトン、塩化ニッケル4水和物より、ニッケル(II)イオンの鋳型反応を利用して、テトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(1-Ni)を約60%の収率で得た。この錯体を、無水エタノール中塩化水素ガスを吹き込み、テトラアザ[14]アヌレン(1)を約40%の収率で得た。1と酢酸銅1水和物より、その銅(II)(1-Cu)を約70%の収率で得た。 2.キラルなアーム基の合成…L-アラニンのアミノ基をアルカリ条件下、Z-Clと反応させてZ基で保護したZ-L-アラニン(2)を約60%の収率で得た。 3.7,16-ビス(p-アミノベンゾイル)テトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(4-Ni)の合成…1-Niとp-ニトロベンゾイルクロリドをトルエン中トリエチルアミン存在下、12時間加熱還流し、7,16位2置換ニッケル錯体(3-Ni)を約80%の収率で得た。この3-Niの7,16位のニトロ基をパラジウム炭素で還元し、アミノ基を有するニッケル(II)錯体(4-Ni)を約85%の収率で得た。 4.キラルなキャビティーを有する7,16-ビス(アミドベンゾイル)テトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(5-Ni)の合成……4-NiとZ-L-アラニン(2)を塩化メチレン中DCC存在下、1日撹拌後7,16-ビス(アミドベンゾイル)テトラアザ[14]アヌレンニッケル(II)錯体(5-Ni)を約70%の収率で得た。現在Z基の脱保護化を行っている。これらの化合物は、質量、電子、IR、NMRの各スペクトルや元素分析等よりその生成を確認した。キラルなキャピティーを有する大環状化合物での有機化合物のキラル分子認識を行う予定である。
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