研究課題/領域番号 |
14540525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
吉本 則之 岩手大学, 工学研究科, 助教授 (80250637)
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研究分担者 |
小川 智 岩手大学, 工学部, 助教授 (70224102)
吉澤 正人 岩手大学, 工学研究科, 教授 (30220619)
中西 良樹 岩手大学, 工学研究科, 助手 (70322964)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 有機薄膜 / 配向制御 / 磁場配向 / 導電性有機物 / 自己組織化単分子膜 / 有機デバイス / X線回折 / 有機半導体 |
研究概要 |
有機薄膜を用いた電子・光素子開発に関する研究は近年急速に進展しており、実用的な分子電子デバイス実現への期待が高まっている。分子デバイス開発にあたっては、有機分子の精密な配向・配列制御技術の確立が望まれており、磁場等を用いた有機薄膜の面内配向制御と薄膜面内の配向評価技術を確立することが重要である。本研究では、まず、10テスラマグネットで使用可能な真空蒸着膜を新たに設計、制作し、強磁場中で各種有機半導体の真空蒸着膜を作製することに成功した。さらに、膜の配向、構造を面内X線回折法で評価するとともに、無磁場環境で作製した膜の構造と比較した。一方で、磁気異方性ユニットを組み込んだ新しいドナー分子の分子設計、合成を行った。 合成に関しては、新たに合成したTTF誘導体分子を用いて自己組織化単分子膜を合成することに成功し、単分子膜として十分なドナー性能を発揮することを確認した。さらに、自己組織か単分子膜を10テスラの超伝導マグネット中で作製した結果、膜の密度と吸着状態に磁場効果があることが明らかとなった。また、X線反射率法を用いた自己組織化単分子膜の評価技術を確立し、自己組織化単分子膜を用いた有機TFTのキャリア密度制御の研究に貢献した。さらに、TTF-TCNQの結晶が磁場中で配向することを見出し、この現象を利用して導電率に異方性をもつ有機薄膜の作製技術を開発することに成功した。また、3種類のフェニレン系有機半導体蒸着膜のアルカリハライド基板上におけるエピタキシャル方位関係を系統的に解明し、ミスフィットによってエピタキシャル方位が決定されることを見出した。
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