研究課題/領域番号 |
14540532
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中野 英之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00222167)
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研究分担者 |
景山 弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294038)
城田 靖彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029091)
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キーワード | アモルファス分子材料 / フォトクロミックアモルファス分子材料 / フォトクロミズム / アゾベンゼン / 表面レリーフ回折格子 / ホログラム / 回折効率 / ガラス転移温度 |
研究概要 |
最近、アゾベンゼンクロモフォアを有する高分子薄膜に可干渉な二光波を照射することにより、膜表面に表面レリーフ回折格子(SRG)が形成されることが見いだされ注目を集めている。これまでのSRG形成に関する研究は、アゾベンゼンクロモフォアを有するアモルファス高分子や液晶高分子が対象となってきた。 これに対して、我々はこれまでに「フォトクロミックアモルファス分子材料」の概念を提出し、その概念に基づいて、新しい分子・物質系の創製と特性解明、ならびに材料への応用に関する研究を行っている。これらのうち、アゾベンゼン系フォトクロミックアモルファス分子材料は、新しいSRG用材料として興味がもたれるだけでなく、これらは高分子鎖のからみあいの効果がなく、また、分子構造が明確で分子量分布のない鈍物質で構成されていることから、表面レリーフ回折格子形成のメカニズムに関するより詳細な情報を与えると期待される。このような観点から、我々はフォトクロミックアモルファス分子材料を用いるSRGの検討を始めて行い、これまでに、4-di(biphenyl-4-yl)aminoazobenzeneが凹凸差が約200nm、He-Neレーザーに対する回折効率が約7%のSRGを形成することを明らかにしている。 本研究では、より優れたSRG形成能を有するフォトクロミックアモルファス分子材料の創製を目的として、より高いガラス転移温度を有する新規化合物4-[bis-(9,9-dimethylfluoren-2-yl)amino]azobenzene(BFIAB)を設計・合成した。BFIABは回折効率約23%、凹凸差約280nmのSRGを形成することを明らかにし、Tg向上がSRG形成能を向上させるための分子設計指針となることを示した。
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