研究課題
基盤研究(C)
●弾性線維蛋白質-水系の温度依存性コアセルベーションと生体内自己組織化:臨界現象特性細胞外間隙での前駆蛋白質の自己組織化により弾性線維蛋白質の多様な機能の基礎となる構造形成がなされる過程は、弾性線維蛋白質-水系の温度依存性コアセルベーションで再現可能であり、分子集合の時間経過や形成粒径分布に関する臨界特性を明らかにした。●金属イオン共存下の温度依存性コアセルベーション:金属イオン選択性結合部位と自己組織化細胞外媒質に対応する金属塩化物溶液中では、蛋白質濃度が臨界領域内、領域外に関わらず、時間経過の早い、粒径分布の広い液滴が形成される臨界領域型となる。金属イオンは荷電性ペプチド側鎖に非選択的に、ペプチド骨格カルボニルにイオン選択的に結合する。●共存遷移金属イオンによる臨界温度の上昇:球状ミクロコアセルベート液滴と紐状組織体弾性線維蛋白質-水系の温度依存性コアセルベーションは、遷移金属イオン共存下で臨界温度が顕著に上昇し、銅イオンやランタンイオン等の共存下ではコアセルベート液滴が安定化する。一方、特定の条件では紐状弾性線維蛋白質集合体が形成される。●原始的蛋白質としての特性を有する弾性線維蛋白質:原始細胞モデルと細胞型生体機能材料弾性線維蛋白質は胎生初期から機能し、原始的蛋白質の特性にも対応するアミノ酸組成を有し、遷移金属に富む太古の海洋組成を模した化学進化実験で類似化合物が生成する事も報告されている。刺激受容と応答が可能な細胞機能を有する原始細胞モデルや生体材料として有用である。●弾性線維蛋白質の自己集合組織化と機能発現:生体弾性機能材料としての展開弾性線維蛋白質-水系の温度依存性コアセルベーションは、生体内過程に対応した細胞外弾性マトリックスの多様な機能の基礎となる構造形成が進行する過程であり、合成高分子材料では実現出来ない生体弾性材料開発にも不可欠な研究課題である。
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