研究課題
基盤研究(C)
ナノサイズ粒子はバルクと異なる性質を持つことから新規機能性材料への応用が期待されているが、その実現のためには粒子の配列・構造制御が重要である。まず本研究では、半面を炭化水素鎖、もう半面を炭化フッ素鎖の化合物で修飾した金粒子を溶媒中に分散させることによって金微粒子のオリゴマーの作製を試みた。異なる化合物で修飾した金粒子の作製は、シランカップリング剤で疎水化したガラス板にDioctadecyl dimethyl ammonium chloride (DODAC)のLB膜を一層転写した後、金微粒子分散溶液中に浸漬して金粒子を吸着させた。この粒子膜をフッ素系の界面活性剤(HFOTAI)水溶液中に浸漬させて、もう一方の半面を修飾した。分散溶媒として水、クロロホルム、酢酸エチルの3種類を用いてオリゴマー粒子を作製した結果、dimer、trimer、tetramerなどが確認された。オリゴマーの形成は炭化水素鎖同士と炭化フッ素鎖同士の相互作用だけでなく、DODACとHFOTAIの溶媒に対する親和性も重要であることが明らかとなった。次に、2面修飾した粒子を大量に合成するために、UV/オゾンクリーナを用いて金ナノ粒子表面の修飾分子を部分的に分解・除去し、そこに別の修飾剤を導入することを検討した。二次元粒子膜のUV/オゾン処理は、酸素雰囲気下で40Wフラット型低圧水銀ランプを用いて行った。赤外和周波と赤外吸収スペクトルから有機物の分解は、粒子の上部から優先的に始まり、約25分のオゾン処理で粒子表面のほぼ半分が分解することが明らかとなった。この粒子から作製した粒子を用いて、トルエン溶液中でオリゴマー粒子を作製したところ、2ー4量体が60%と高い収率で得られることがわかった。以上のことから、二次元粒子膜を別の粒子分散溶液に浸漬させる方法は、オリゴマー粒子の作製に大変有効であることを明らかとした。
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