研究課題/領域番号 |
14540552
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邊 政隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10006330)
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研究分担者 |
桑原 俊介 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40359550)
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キーワード | MαNP Acid / 光学活性 / Phthalide / キラル源 / ジオール類 / 長鎖不飽和アルコール類 / プロパキルアルコール / (S)-Caminoside |
研究概要 |
当研究室で開発した光学活性な有機補助基、MαNP Acidを用いて、以下の成果をあげることが出来た。 1.絶対立体化学の明確な光学活性なPhthalide類の合成方法を確立することが出来た。特に、19世紀末に研究が始まったセロリの香味成分2-butyl phthalideのbutyl基の絶対立体化学の決定は不斉により推定によるものであった。新たに見い出した光学活性なPhthalide類合成法を用いて、絶対立体化学を明確に決定することができた。 2.マツタケの香味成分、(R)-(-)-Matsutakeolおよびそのエナンチオマ-(S)-(+)-Matsutakeolの大量合成を行う事ができた。 3.光学活性な天然有機化合物のキラル源として活用が期待される種々のジオール類を光学分割に成功した。 4.プロパギルアルコール類の簡便、かつ大量の光学分割の手法を確立することが出来た。 5.ホモプロパギルアルコール類の光学分割にプロパギルアルコール類の光学分割の手法を応用できることを見い出した。 6.プロパギルアルコール類の光学分割の手法を応用して長鎖不飽和アルコール類の光学分割に成功した。 7.(S)-Caminoside(蝋;waxの一種)の前駆体の合成に成功した。 有機補助基、MαNP Acidはアルコール類の絶対立体化学の決定のみならずアルコール類の光学分割に威力を発揮する事をみいだした。 特に、長鎖アルコール類の光学分割には有効な方法がなかったので、生理活性を有する天然有機化合物の合成研究の展開が期待される。
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