研究課題/領域番号 |
14540556
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
陳 競鳶 福井大学, 工学研究科, 助教授 (50311676)
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研究分担者 |
青木 幸一 福井大学, 工学研究科, 教授 (80142264)
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キーワード | エマルション / ラテックス / フェロセン / 油水界面 / 一酸化窒素 / 電気化学分析 / ボルタンメトリー / ナノスケール |
研究概要 |
研究の第一段階では、エマルションにおける油水界面での酸化還元活性物質の移動に伴う反応を、電気化学方法により測定した。先ず、水中にフェロセンを含む油滴が分散した系、即ちエマルションの電極反応のモデルとして、水中にある電極上に単一油滴を置いた系を考えた。その結果、論文(1)"Voltammetry of a single oil droplet on a large electrode interfaces"及び論文(3)"Electrode reactions at nanometer-scaled oil|water|electrode interfaces"に述べたように、油滴中に支持塩がないときフェロセンが電極反応するには、(1)対イオンが油滴中に移動して油|電極界面で電極反応するか、(2)対イオンの移動なしで電極|油|水の三相界面で反応するかである。前者は電極の全面で反応した。後者は三相が出合う線上、即ちナノスケール幅のリング電極上での反応であった。リング以外の電極表面では電気的に不活性であった。従って、リング状の三相界面では、通常の微小バンド電極のような酸化還元挙動を示した。電位印加による油滴・電極との間の接触角度の変化をマイクロスコープにより観察し、油水界面での酸化還元活性物質の移動に伴う界面張力変化を記録した。それらの反応する条件を見つけた。アニオンは反応に関与しないけど、電気二重層の形成及び電気的中性を保つのに役立っていることが分かった。油水界面での浸透・移動エネルギーを異なった二種類のアニオンの実験データから、電極|油|水三相が出合う線上の酸化還元反応がエマルションの合一を引き起こすことが分かった。 また、エマルションの性質である微小液滴の電気的合一を電気的細胞融合の模擬系として考え、油水界面における酸化還元活性物質(NO)の移動に伴う反応を電気化学的に理解するため、安定な界面をもつ油滴-ポリスチレンラテックスを用いて電場での微小粒子動きを観察した。結果は論文(2)"Electrochemically driven polystyrene-sulfonic acid particle in deionized suspension : Microscope analysis"に述べた。
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