研究課題/領域番号 |
14540564
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
杉谷 嘉則 神奈川大学, 理学部・化学科, 教授 (80015552)
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研究分担者 |
影島 一己 ウテナ, 八王子研究所, 主任研究員
西本 右子 神奈川大学, 理学部, 専任講師 (70241114)
天野 力 神奈川大学, 理学部, 教授 (20017445)
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キーワード | エマルション / 高周波分光 / 分離過程 / 誘電率 / 経時劣化 |
研究概要 |
エマルション製品を商品化する上で「エマルションの分離」という現象は非常に重要な問題であり、慎重な評価測定を必要とする。従来の評価手段として、一般的には、(1)目視法(2)粒度分布測定法、等があるが、あらたに高周波分光法を開発した。これは、前2者の欠点をカバーできる可能性を持っている。本研究では(a)高周波分光法がエマルションの「分離過程」の観測に関して、従来の目視法や、粒度分布測定法に加えて、もう一つの新しい測定法になり得ることを立証した。 (b)各種の基礎的(物理化学的)エマルションを調製し、それらの「分離過程」(凝集、合一、クリーミング)とスペクトル変化が如何に対応するかを明らかにした。 (c)上記(b)に関し、550MHz付近に観測される共振ピークは時間経過に対し高周波側にシフトすることが観測された。このシフトはエマルションの分離過程(劣化過程)を示す指標となるものである。また、エマルション調製において、界面活性剤の添加量を変化させた場合、添加量を多くしたもの程時間経過に対する共振ピークの高周波側へのシフトは緩慢になることが観測された。これらの結果はエマルションの変質・劣化に関する日常経験とよく符合するものであり、本法がエマルションの「分離過程」の観測に有用な新しい手段となることを示している。
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