研究課題
西部北太平洋の熱帯・亜熱帯・亜寒帯3代表海域の外洋浮遊生物群集を対象に、食物網を把握し、その機能を解析した。研究では、全構成生物を種もしくはグループで把握し、さらにそれぞれを分類群と栄養摂取の特徴で機能群に分け、機能群内を生物の大きさの違いでコンパートメント区分した。次いで、得られた構成生物群を、コンパートメントを基礎にした食物網で整理し、食物連鎖モデルを用いて機能を調べた。これにより優占種に着目した従来の概念的な食物網の整理しかなかった外洋浮遊生物群集を、より具体的でかつ深く理解することに成功した。平成16年度は、亜熱帯外洋浮遊生物群集の食物網の解析研究を継続して進め、同時に、亜寒帯外洋生物群集の解析作業に着手した。実際の作業では、当該研究者が関与してこれまでに行った「海洋中の炭素循環メカニズム調査研究」で得られた5年間のデータを用い、未計測のものは保存試料を同定し計測・計数した。食物網の整理に必要な捕食・被食関係は、実際の観察結果と既存の文献から得、それ以外はサイズ依存則を用いた。成長速度は、バクテリア、植物プランクトン、原生動物、後生動物に分け、既存の関係式で推定した。植物プランクトンを出発点として、食物網内でのエネルギーと物質の流れを食物連鎖モデルによって定量把握し、各栄養段階間の生態効率で検証した。対象とするそれぞれの生物種・属もしくはグループの貢献度は、最上位の栄養段階の生物群の成長速度の支援度によって判定した。
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