研究課題
基盤研究(C)
アルゼンチンアリの瀬戸内海沿岸地域での分布状況、広島県廿日市市周辺での分布拡大の実態、アリ類をはじめとする在来他生物に及ぼす影響等を調査した。主な結果は以下のとおり。1.瀬戸内海沿岸の65都市でアルゼンチンアリの有無を調査し、8都市に分布していることが明らかになった。また、廿日市市周辺を除くと分布のスケールは小さく、日本への侵入は比較的近年であると考えられた。2.廿日市市周辺の都市公園など77か所で2000年から定期的にアリ相の調査を実施した。アルゼンチンアリの侵入公園は2000年の27か所から2005年秋には41か所に増加し、着実に分布が拡大していた。3.アルゼンチンアリ侵入公園では、在来アリの種多様性が有意に低下した。調査期間中にアルゼンチンアリが侵入した公園では、在来アリの種数が急激に減少した公園はごくわずかで、種多様性の低下には少なくとも数年は必要なようであった。4.アルゼンチンアリの影響は、在来種間で著しくことなっていた。クロヤマアリやトビイロシワアリをはじめとする大部分のアリは、アルゼンチンアリの侵入地での出現頻度が著しく低かったが、サクラアリやウメマツオオオアリでは未侵入地の出現頻度と差がなかった。5.捕食者に対する影響を明らかにするために、ニホンアマガエルの餌内容や餌選好性を調査した。アマガエルは多数のアリ類を捕食しており、餌として利用されていたアリの種多様性は、アルゼンチンアリ未侵入地に比べて侵入地で低かった。
すべて 2005 2004 2003 2002
すべて 雑誌論文 (10件)
Sociobiology 45
ページ: 495-502
Edaphologia 74
ページ: 27-34
Edapholgia 74
家屋害虫 25
ページ: 121-122
昆虫と自然 38(7)
ページ: 32-35
House and household insect pests 25
Insects and nature 38,(7)
Sociobiology 39
ページ: 465-474