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2005 年度 実績報告書

世代が重複する一年草コニシキソウの繁殖特性と2つの種子散布様式の意義

研究課題

研究課題/領域番号 14540582
研究機関佐賀大学

研究代表者

鈴木 信彦  佐賀大学, 農学部, 教授 (80183846)

キーワードコニシキソウ / 分枝様式 / 葡匐型栄養成長 / 種子生産 / 自動種子散布 / 収穫アリ型種子散布
研究概要

野外調査および室内実験により、コニシキソウの種子を運搬するトビイロシワアリおよびオオズアリの種子運搬や種子捕食などの行動特性を解析し、コニシキソウの種子散布におけるアリの種子運搬行動の意義を考察した。
夏期と秋期にアリの種子の運搬頻度を野外で測定した。トビイロシワアリおよびオオズアリの両種とも夏期の種子を運搬することはほとんどなかったが、秋期は多くの種子を運搬していた。トビイロシワアリでは搬入した種子の約半数の種子が搬出されていた。
野外におけるヒメナガカメムシによるコニシキソウの食害状況を調べた。ヒメナガカメムシの幼虫の来訪頻度は、アリがいるコニシキソウで少なく、成虫の来訪頻度はアリがいるコニシキソウで多かった。幼虫は歩行により移動するため、アリに襲われやすいことが予測されるが、調査中にアリによる攻撃はみられなかった。アリの存在自体が幼虫にとっては脅威なのかもしれない。成虫も歩行により移動することが多いが、飛ぶこともできるため、アリの存在が成虫の採餌行動におよぼす影響が幼虫より小さいのかもしれない。
人工のアリの巣を使ってアリによる種子食害率および巣内におけるコニシキソウ種子の分布を調べた。ケース巣におけるトビイロシワアリおよびオオズアリの種子搬入率、種子搬出率、巣内種子食害率および搬出種子食害率を調べた。オオズアリは、搬入した秋期の種子を搬出することはほとんどなく、実験終了時には、無傷な種子がほとんど残っていなかった。したがって、オオズアリは種子捕食者であると考えられる。一方、トビイロシワアリは、秋期の種子の搬出率が高く、食害率が低かった。石膏巣の実験でも夏期および秋期の種子の食害率は低く、持ち込まれた種子が食料と一緒に置かれた割合も低かった。したがって、トビイロシワアリはコニシキソウの種子を食料としていない可能性が高いことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Significance of the simultaneous growth of vegetative and reproductive organs in the prostrate annual Chamaesyce maculata (L.) Small (Euphorbiaceae).2006

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, N.
    • 雑誌名

      Ecol.Res. 21・1

      ページ: 91-99

  • [雑誌論文] Age-related changes in flight muscle mass, lipid reserves and flight capacity during adult maturation in males of the territorial damselfly Calopteryx atrata (Odonata : Calopterygidae).2005

    • 著者名/発表者名
      Matsubara, K.
    • 雑誌名

      Zool.Sci. 22・5

      ページ: 587-592

  • [雑誌論文] Phenology and life cycle of the annual, Chamaesyce maculata (L.) Small (Euphorbiaceae) with multiple overlapping generations in Japan.2005

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, N.
    • 雑誌名

      Ecol.Res. 20・4

      ページ: 425-432

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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