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2003 年度 実績報告書

概日時計の生態学的研究-活動時刻・羽化時刻の適応的意義の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14540586
研究機関芦屋大学

研究代表者

渡 康彦  芦屋大学, 教育学部, 助教授 (80240539)

研究分担者 田中 一裕  宮崎学院女子大学, 学芸学部, 助教授 (00316415)
キーワードタマネギバエ / 温度周期 / 温度日較差 / 羽化 / 蛹化深度 / 概日リズム / 歩行活動 / ストレス耐性
研究概要

平成15年度は、1)羽化リズム、2)羽化直後の成虫の環境ストレス耐性および3)歩行活動の季節変化について調べた。
羽化リズムについては、地温の日較差が羽化時刻におよぼす影響についてさらなる検証を行った。今年度は、羽化時刻の前進が温度較差そのものに反応して生じているのか、それとも低温相あるいは高温相の温度に反応して生じているのかについて検討をおこなった。その結果、確かにタマネギバエは温度の日較差に反応することが示された。地温の日較差に応じて羽化時刻をはやめる反応は、土深に伴う夜明け信号の遅れに関わらず早朝に羽化することを保証する仕組みとして機能している。
なぜ、本種を含むハエ類の多くが明け方に羽化するのだろうか?羽化直後の成虫のストレス耐性の面から検討をおこなった。羽化直後の成虫をさまざまな湿度および温度にさらし、羽化成功の指標としての翅の伸展の程度を比較した。その結果、乾燥(RH5%)はまったく翅の伸展を妨げなかったのに対し、39℃以上の高温は翅の伸展を妨げることが示された。札幌といえども日中の地表温度は40℃超える。その意味で、体内時計により日中の羽化を抑制することは適応的であることが示唆された。
羽化リズムに加え、本種には歩行活動にも日周性がみられる。成虫の発生時期に相当する4月中旬から10月初旬まで、野外条件下で歩行活動リズムの記録をとった。その結果、歩行活動リズムには明瞭な季節変化があることがわかった。まだ気温が低い4月や9-10月には正午付近に活動のピークがあるのに対し、気温が高い7月や8月には15時付近にピークがあることがわかった。なぜ気温が高くなると活動リズムの位相が午後にずれるのだろうか。その意義の検討は今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasuhiko Watari: "Phase-shifting effects of a light pulse interrupting scotophase on locomotor activity rhythm and photoperiodic time measurement for diapause in the onion fly, Delia antiqua."Entomological Science. 6・4. 229-236 (2003)

  • [文献書誌] 渡 康彦: "昆虫の休眠学"概日時計-昆虫たちの昼と夜. 340 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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