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2003 年度 実績報告書

植物細胞においてアルミニウムが誘発するミトコンドリア機能障害による細胞死の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14540595
研究機関岡山大学

研究代表者

山本 洋子  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50166831)

キーワードアルミニウム / アルミニウム耐性 / 活性酸素 / 細胞骨格 / 植物 / 浸透圧 / タバコ培養細胞 / ミトコンドリア
研究概要

本研究の目的は、アルミニウム(Al)による細胞増殖阻害の分子機構を明らかにすることであり、特にミトコンドリア機能との関わりに着目して解析を進めている。本年度は、タバコ培養細胞からミトコンドリアを単離し、Alの影響を生理・生化学的に解析するとともに、Al感受性の異なるエンドウ2品種を用い、その根部におけるAl応答反応を比較した。
タバコ培養細胞を用いてAl処理を行ったのち、ミトコンドリアを単離し、その機能を解析した結果、Alにより呼吸活性の低下、内膜電位差の低下、活性酸素発生量の増加が観察された。これらの現象はすべて細胞レベルで観察していたことであるが、単離ミトコンドリアでも同様に見られたことから、Alによる活性酸素の誘発がミトコンドリアの機能障害に基づくことを直接的に証明することが出来た。現在、電子顕微鏡を用いて、Al処理に伴うミトコンドリア構造の変動について調べている。今後、ミトコンドリアの構成蛋白質の解析を行なうことにより、Alによるミトコンドリア障害の詳細を生化学的に明らかにしたい。
一方、培養細胞系で得られた結果を個体レベルで確認することも重要である。本年度は、Al感受性の異なるエンドウ2品種の根部を用いてAl応答反応を解析したところ、どちらの品種においても伸長阻害と活性酸素の誘発現象との間に高い相関を見い出した。さらに、Al耐性品種では、ATP含量が高く、さらにそのATPがAl処理に伴って急速に低下することから、高いATP含量がAl耐性に関わっている可能性も見い出している。これらの現象は、タバコ細胞でも同様に見られることから、その詳細について、さらにタバコ細胞を用いて検討する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yamamoto, Y. et al.: "Oxidative stress triggered by aluminum in plant roots."Plant and Soil. 255. 239-243 (2003)

  • [文献書誌] Devi, S.R.et al.: "An intracellular mechanism of aluminum tolerance associated with high antioxidant status in cultured tobacco cells."Journal of Inorganic Biochemistry. 97. 59-68 (2003)

  • [文献書誌] Sasaki, T. et al.: "A wheat gene encoding an aluminium-activated malate transporter."The Plant Journal. 37. 645-653 (2004)

  • [文献書誌] Ligaba, A. et al.: "The role of phosphorus in aluminium-induced citrate and malate exudation from rape (Brassica napus L.)."Physiologia Plantarum. (in press).

  • [文献書誌] Kobayashi, Y. et al.: "Studies on the mechanism of aluminum tolerance in pea (Pisum sativum L.) using aluminum-tolerant cultivar 'Alaska' and aluminum-sensitive cultivar 'Hyogo'."Soil Science and Plant Nutrition. (in press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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