研究課題
基盤研究(C)
本研究では、1)ユウレイボヤにおける精子運動活性化・走化性物質の構造の決定とその性質については、卵由来の精子活性化・走化性物質(sperm-activating and-attracting factor : SAAF)の精製と構造決定を行い、分子量596の新規のステロイド物質であることを明らかにした.更にSAAFの化学合成に成功し、きわめて低濃度で精子活性化・走化性を誘起することを明らかにした.2)ユウレイボヤ精子走化性機構について、SAAFはstore-operated calcium channelを介して精子走化性を引き起こすことを明らかにした。さらに、走化性についての数理学的研究を行いホヤとクラゲでは走化性の方式が異なることを明らかにした。3)ユウレイボヤ精子活性化機構についてはSAAFによるCa^<2+>チャネルの活性化とその結果としての細胞内Ca^<2+>の増加がカルモジュリン/カルモジュリン依存性タンパク質リン酸化酵素を活性化し、それがK^<+>チャネルを活性化し、以後のサイクリックAMP(cAMP)依存性の細胞内情報伝達機構によって精子活性化が起ることを明らかにした。4)ニシン精子運動活性化機構については、精子運動調節にはナトリウム/カルシウム逆転転換因子(reversed Na^<+>/Ca^<2+>exchanger)が関与していることを明らかにした.5)サケ科魚類精子運動開始機構については、それに関与するcAMP依存性タンパク質リン酸化酵素のサブユニットの性質について調べ、さらに、分子量15,000の15Kタンパク質の精製を行い、その性質を明らかにした。精子先体反応についてはナメクジウオで世界で始めて先体反応を誘起することに成功した。イガイではGTP-anchor aminopeptidaseが精子先体反応に関与している重要な知見を得た。
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