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2002 年度 実績報告書

過分極性膜電位振動とそれに同期する筋収縮の発現機構

研究課題

研究課題/領域番号 14540624
研究機関東京学芸大学

研究代表者

吉野 正巳  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20175681)

キーワード過分極性膜電位振動 / L型Ca^<2+>チャネル / 伸展活性化チャネル / 側輸卵管 / リズム収縮 / パッチクランプ / 電気生理学 / 昆虫
研究概要

コオロギの側輸卵管に酵素処理を施すと長径100ミクロン,短径5ミクロンの横紋構造を持つ単一筋細胞が得られる。この単一筋細胞は、正常リンガー液中で周期的なリズム収縮(リズム)を示す。単一筋細胞にホールセルパッチクランプ法を適用し、電流固定下に膜電位を記録すると、周期的収縮に同期して膜の過分極(過分極性膜電位振動)が起こることを見出した。この過分極性膜電位振動の発現には細胞外からのCa^<2+>流入と細胞内カルシウム貯蔵部位からのCa^<2+>放出が必須であることから,平成14年度は主に外液からのCa^<2+>流入を荷うイオンチャネルの同定をパッチクランプ法を用いて行った。その結果、以下の知見を得た。
(1)Ca^<2+>流入経路には2種のCa^<2+>透過性イオンチャネルが関与していることが明らかになった。一つは電依存性L型Ca^<2+>チャネルでありもう一つは、Ca^<2+>透過性の伸展活性化チャネルである。
(2)L型Ca^<2+>チャネルは100mM Ba^<2+>存在下で単一チャネルコンダクタンスが18pS、開確率が脱分極依存性に増加し、平均加算電流は遅いdecayを示した。DHPカルシムアゴニストのBayK 8644は単一チャネルの開口時間を延長し、平均加算電流の振幅を増大させた。アンタゴニストのNife dipineは開確率0のブランク掃引を増大し平均加算電流値を減弱した。平均加算電流のピーク値は巨視的Ba^<2+>電流の電流-電圧関係を再現した。
(3)伸展活性化チャネルは膜に与えたネガテイブ及びポジテイブの伸展刺激に応じ開確率を増大した。一価及び二価のカチオンを通し、Ca^<2+>透過型であった。単一チャネルコンダクタンスは一価カチオンで約20pS、二価カチオンで13pSであった。細胞外のGd^<3+>、La^<3+>、Cd^<+2>、及びZn^<2+>は単一チャネルの振幅を減少させた。
以上の結果から、側輸卵管単一筋細胞の過分極性膜電位振動の発生には、これら2種のCa^<2+>透過型イオンチャネルを介する外液Ca^<2+>流入が重要であることが明らかになった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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