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2002 年度 実績報告書

昆虫の外皮硬化機構に関する生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 14540632
研究機関東京都立大学

研究代表者

泉 進  東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10145659)

キーワード昆虫 / カイコ / 外皮 / 表皮細胞 / フェノール酸化酵素 / ラッカーゼ / 精製
研究概要

昆虫の外皮は主にタンパク質とキチン線維からなり、外骨格として個体の形態を維持するという重要な役割を果たしている。外皮はラッカーゼ型フェノール酸化酵素(以下ラッカーゼ)による皮なめし作用で強度を増すと考えられている。昆虫の表皮構造を生化学的に解明することを目的とし、カイコを材料として表皮中に存在するラッカーゼの機能解析を行った。本年度の成果は以下の通りである。
1)カイコ蛹外皮からのラッカーゼ型フェノール酸化酵素の精製および酵素前駆体の検出
蛹脱皮直後のカイコ蛹外皮をトリプシンで消化し、活性型ラッカーゼを遊離させた後、酵素を硫安沈殿、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィーで分画し単一タンパク質に精製した。
2)ラッカーゼによるキチン線維-外皮タンパク質間の架橋
カイコ蛹外皮からキチン結合能を持つ外皮タンパク質を分離した。ラッカーゼの基質であるドーパミンを外皮タンパク質存在下でラッカーゼにより酸化したところ、タンパク質が架橋され、さらにキチンとも強固に結合することが明らかとなった。この結果は、精製したラッカーゼがカイコの外皮中で皮なめし作用を行っていることを示す確たる証拠である。
3)抗ラッカーゼ抗体を用いたイムノブロツトによるラツカーゼ前駆体の検出
精製酵素を抗原としてウサギを免疫し抗ラッカーゼ抗体を作成した。この抗体を用いて、イムノブロット法により外皮中に存在するラッカーゼの前駆体を検出した。その結果、ラッカーゼは表皮細胞中に分子量70kの前駆体として存在し、蛹化後に外皮中に分泌され活性型になることが明らかになった。また、ラッカーゼは蛹化後のみでなく、脱皮直後の幼虫外皮や頭殻にも存在することを確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sawada, H.: "Purification and characterization of an ommin-binding protein from an acid-methanol extract of oliapause eggs of the silkworm, Bombyx mori"J. Insect Biotech. Seric.. 71. 103-108 (2002)

  • [文献書誌] Obara, Y.: "Pupal commitment and its hormonal control in wing imarginal disc."J. Insect Physiol.. 48. 933-944 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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