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2003 年度 実績報告書

昆虫の外皮硬化機構に関する生化学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 14540632
研究機関東京都立大学

研究代表者

泉 進  東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10145659)

キーワード昆虫 / 外皮 / フェノール酸化酵素 / ラッカーゼ / 発現 / cDNA / 構造解析
研究概要

昆虫の外皮は主にタンパク質とキチン線維からなり、外骨格として個体の形態を維持するという重要な役割を果たしている。外皮はラッカーゼ型フェノール酸化酵素(以下ラッカーゼ)による皮なめし作用で強度を増すと考えられている。本研究では昆虫の表皮構造を生化学的に解明することを目的とし、カイコを材料として表皮中に存在するラッカーゼの機能解析を行った。本年度の成果は以下の通りである。
1)ラッカーゼ型フェノール酸化酵素の部分一次構造の決定
精製したラッカーゼ標品をリジルエンドペプチダーゼで消化した後、逆相HPLCカラムでペプチドを分離した。得られたペプチドをアミノ酸配列分析に供し、ラッカーゼのN末端および内部の部分一次構造を明らかにした。
2)ラッカーゼcDNAのクローニングおよび構造決定
ラッカーゼの部分一次構造でデータベース検索を行ったところ、Silkbaseに登録されているESTクローン、ce2395がラッカーゼcDNAであることが判明した。ce2395の全塩基配列解析を行い、カイコのラッカーゼ前駆体推定一次構造を決定した。C末側には、植物やカビのラッカーゼに保存されている活性中心を構成すると考えられるアミノ酸配列と相同の配列が検出された。N末端側には前駆体が活性化される際のプロテアーゼ切断点が同定された。
3)ラッカーゼの発現解析
ラッカーゼ遺伝子は蛹脱皮の約2日前から表皮細胞中で発現し、mRNAの蓄積は脱皮1日前に最大となった。恐らくこの時期に翻訳され、ラッカーゼ前駆体タンパク質が外皮中に分泌され蓄積するものと思われる。また、幼虫期では、蛹脱皮直後の頭部外皮に比較的多量のラッカーゼmRNAが検出された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takemae H, Ueda R, Okubo R, Nakato H, Izumi S, Saigo K, Nishihara S.: "Proteoglycan UDP-galactose : beta-xylose beta 1,4-galactosyltransferase I is essential for viability in Drosophila melanogaster."Journal of Biological Chemistry. 278. 15571-15578 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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