研究課題/領域番号 |
14540640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
増田 道夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20091499)
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研究分担者 |
川口 栄男 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50195054)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 紅藻 / ムカデノリ科 / 系統分類学 / 形態学 / 分子系統学 / ルビスコ大サブユニット遺伝子(rbcL gene) / 助細胞アンプル / 造果枝装置 |
研究概要 |
rbcL配列を用いた系統解析によって、属を区別する形質として伝統的に用いられてきた藻体の質、葉状藻体の形や生殖器官の形成される部位は、属レベルではホモプラシーであるが、助細胞アンプル構造と造果枝装置構造の組み合わせが属を区別する特徴(ムカデノリ科の進化過程を示す形質)として意義のあることを示した。属レベルではホモプラシーである形質も、葉状体の大きさ(高さ、幅、厚さ)や生殖細胞の大きさなどの量的な形質とともに、種レベルの分類学的形質としては有効であることを明らかにした。(1)チャボキントキ属のマツノリとコメノリならびに2種からなるキョウノヒモ属は、マタボウ属と同じ助細胞アンプル構造と造果枝装置構造であり、マタボウ属と単系統群となることからマタボウ属に含めるべきである(キョウノヒモ属はマタボウ属のシノニムになる)。2)今回の課題で明らかになった新種トサコメノリや再認識されたヒロハムカデノリは、隠蔽種ともいえる存在で、今後の系統解析によって、このような種が他のグループにおいても見つかる可能性がある。(3)与那国島で得た1種は、助細胞アンプルを構成している細胞の大半が、その助細胞が受精核を受け取って、複相になると直ちに、同調的に分裂を開始して、ブドウの房状に見える小球状細胞群を生じる特徴があり、rbcL配列を用いた系統解析では、同じ特徴をもつウスバキントキとクレードを組み、他に4つ認められたクレードのうち、ムカデノリ属クレードの姉妹群となった。これらの2種を包含する新属ヨナグニソウ属Yonagunia(タイプ種は新種ヨナグニソウY.tenuifolia Kawaguchi et Masuda)を設立し、ウスバキントキをこの属に移した。
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