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2002 年度 実績報告書

爬虫類全科間の系統関係と分岐年代の推定:ミトコンドリアゲノミクスによるアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 14540641
研究機関名古屋大学

研究代表者

熊澤 慶伯  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60221941)

研究分担者 西田 睦  東京大学, 海洋研究所, 教授 (90136896)
キーワード爬虫類 / ミトコンドリアDNA / PCR / 分子系統解析 / 高次系統分類 / ヘビ類 / トカゲ類 / 系統樹
研究概要

爬虫類を構成するワニ類、トカゲ類、ヘビ類、カメ類の各科より代表種のサンプルを収集した。その結果、現時点までにヘビ類・トカゲ類の数科とカメ類の1科を除いて、全ての科の代表種を揃えることができた。収集したサンプルより全DNAを抽出し、ロングPCRによってミトコンドリアDNAの全長(約17キロ塩基対)を数断片に分けて増幅した。その産物を鋳型にして多数の爬虫類特異的プライマーの組み合わせによる増幅を行い、それらの塩基配列を決定した。その配列をアセンブルすることで、本年度は7種の爬虫類について(制御領域の一部が未解読のものを含む)、ミトコンドリアDNAの全長配列を得ることができた。得られた塩基配列の中にコードされる遺伝子を同定し、既知の遺伝子配列と整列させることで分子系統解析に必要なデータセットを構築した。系統解析は現時点において進行中であり結論をはっきり述べることはできないが、現生のヘビ類がトカゲ類と別系統である可能性を示す予備的データが得られている。また、有鱗類のタクサ間に大きな分子進化速度の違いがあることも示されている。今後は、ミトコンドリアDNAの全塩基配列の決定をさらに強力に推進し、目標とする50科に早く近付けるとともに、得られた大きなデータセットから信頼できる系統関係と分岐年代を推定する作業を行いたい。その結果を化石記録や形態分析によって得られた仮説と比較検討することで、爬虫類の高次系統関係の解明に貢献するつもりである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kumazawa, Y. et al.: "Tempo of mitochondrial gene evolution : can mitochondrial DNA be used to date old divergences?"Endosymbiosis and Eukaryotlc organells. (in press).

  • [文献書誌] Kumazawa, Y.: "Molecular clock estimation in fishes and its application to biogeographical studies"In i Proceedings of the International Commemorative Symposium for 70th Anniversaty of the Japanese Society of Fisheries Science. (in press).

  • [文献書誌] 西田睦: "脊椎動物の系統進化"月刊海洋. 号外29. 36-42 (2002)

  • [文献書誌] Inoue, J.G.et al.: "Basal actinopteryglan relationships : a mitogenomic perspective on the phylogeny of the 'ancient fish'"Molecular Phy logenetics and Evolution. 26. 110-120 (2003)

  • [文献書誌] Miya, M. et al.: "Major patterns of higher teleostean phylogenies : a new perspective based on 100 complete mitochondrial DNA sequences"Molecular Phy logenetics and Evolution. 26. 121-138 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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