研究課題
基盤研究(C)
担子菌門、同担子菌綱の新たな分類体系を構築するための"かぎ"となるコウヤクタケ科および類縁科菌類のわが国における種多様性の解析を目的として、とくに調査の遅れている亜熱帯地域に焦点を絞り、(1)コウヤクタケ科および類縁科菌類に関して、分子生物学的手法を含む各種の研究に使用しうる標本試料および子実体(または基質)から分離菌株を収集し、(2)収集した標本試料および分離菌株について形態学的、遺伝生理学的、分子生物学的手法等による分類学的研究を行い、わが国の亜熱帯地域におけるコウヤクタケ科および類縁科菌類フローラを明らかにし、さらに(3)亜熱帯地域のコウヤクタケ科および類縁科菌類フローラの成立の解析に必要な情報を現地調査によって得られた情報を加え、本邦亜熱帯地域の種多様性の解析を行った。本研究を通して、子実体標本425点、分離菌株235株、およびDNA解析用子実体試料100点を収集することができた。現在までに行った形態学的、遺伝生理学的、分子生物学的解析により、マングローブの1種であるマヤプシキのみを気質とする新属Haloaleurodiscusを見出し、新種としてH. MangroveiおよびAsterostroma macrosporumを発見した。さらに、Gloeocystidiellum monilifformeなどの日本未報告種10種を含む45属93種を明らかにした。特に、従来ほとんど調査がされていないわが国のマングローブにおいて当該菌群のフローラをほぼ明らかにできた。しかし、未検討の標本試料等も数多くあり、今後さらに研究を発展させることにより、本邦亜熱帯地域のコウヤクタケ科および類縁科菌類フローラの全容を解明できるものと確信する。
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Mycological Research 109(印刷中)
Mycological Research 109(in press)
Reports of the Tottori Mycological Institute 41
ページ: 13-19
Mycoscience 44
ページ: 403-409