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2003 年度 実績報告書

ヒト永臼歯のエナメル質厚さとエナメル象牙境形状の三次元形態解析

研究課題

研究課題/領域番号 14540657
研究機関東京大学

研究代表者

諏訪 元  東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (50206596)

キーワードヒト永久歯 / エナメル厚さ / エナメル象牙境 / マイクロCT
研究概要

本年度中に、リベン遺跡出土の永久歯の未咬耗標本について、マイクロCT撮影による高精細三次元データの取得を完了した。極微量の咬耗のある臼歯若干数をも含めて、上顎第一切歯22、上顎犬歯29、下顎犬歯13、上顎小臼歯18、下顎小臼歯21、上顎大臼歯76、下顎大臼歯85、合計264標本である。CTデータは28ミクロンの立法体ボクセルのボリュームデータとしてファイル化した。このデータセットを用い、half maximum height法によるエナメル質厚さの計測とその予備的解析を行った。各歯種の咬頭尖端部における歯冠側面部のエナメル質厚さを数通りの方法で定義し、おのおのの尺度の実用性を検討した。また、歯冠側面部のエナメル質厚さの歯種内と歯種間における変異を調べた。その結果、歯種ごとの相同部位におけるエナメル質厚さの変異幅は、数十のサンプルの時、平均値の30%から40%ほどになることが示され、変動係数は7から10程度であり、歯冠径よりも相対的に変異が大きいとの結果を得た。同一歯種内ではfunctional cuspのエナメル質のほうが有意に厚い。大臼歯間の比較では、non-functional cuspでは有意差がなく、functional cuspでは第一大臼歯が後方の2臼歯より有意にエナメル質が薄いという結果を得た。第二小臼歯はnon-functionalとfunctional cusp双方共に大臼歯と有意差がなく、第一小臼歯のfunctional cuspは第二小臼歯と後方の2臼歯より有意に薄かった。また、歯種間の相関は低く、大臼歯と小臼歯間のエナメル質厚さには相関はなく、犬歯と小臼歯もしくは大臼歯間には有意でない弱い相関が見られた。これと対照的に第一と第二小臼歯間では有意に近い相関がみられた。相関分析はいずれもサンプル数が少ないため今後標本数を充実する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Suwa, G ほか: "Evaluating intraspecific variation of enamel thickness in humans and modern apes."Anthropological Science. 111. 400-400 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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