研究課題
フランスのパリ自然史博物館に所蔵されているヨーロッパ各地の鮮新世〜更新世の地層から発見されたオナガザル類化石に関する情報収集を行い、その観察・計測を行った。これらの化石はほとんどはコロブス亜科Colobinaeに分類されていて、Mesopithecus属およびDolichopithecus属の2属に分類されることが多い。両者の進化プロセスに関しては、前者が先に適応放散を開始し、続いて後者が進化したとされている。ユーラシア大陸におけるオナガザル上科の進化プロセス復元に関する重要なデータである。また東ヨーロッパ〜コーカサス地域から見つかっているオナガザル類化石のデータ、シベリア・中央アジア(タジキスタン・アフガニスタン・イラン・モンゴル)から見つかっているオナガザル類化石に関するデータ収集を行った。これらのデータは現在とりまとめを行っており、論文として発表する予定である。またモスクワにあるロシア国立古生物学研究所のマシェンコ博士と共同で、モンゴル北部のシャーマル地域とシベリア東部バイカル湖周辺の後期鮮新世の地層から見つかっているコロブス類の化石(Parapresbytis)の産出地点の動物相と、日本の神奈川県厚木市の中津層からみつかっているコロブス類化石が含まれる動物相を比較検討し、古環境・古気候・植物相などの復元を検討している。現在これらの情報と古気候学の文献を対照させて、ユーラシア大陸北部の鮮新世〜更新世にかけてのグローバルな気候変動の中で、どのように霊長類の分布が変化してきたかを検討している。
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