先ず、輪郭線の画面への表示とマウスを用いた測定部分を設け、動作空間を求めるための最低限必要な機能を有するようにした。本システムは、基準画面と異なる部分を対象として抽出する原理であったが、特定部分のみの抽出や排除することによる対象抽出の柔軟性と精度の向上のために、色指定による識別を可能とする機能を加えた。この色指定による認識では、抽出対象の区別が可能であり、その特徴を生かすために、複数の区別した対象を扱かえるようにした。また、抽出過程における区別だけではなく、それらの区別を再構成して対象を設定するシステムとした。以上の改良によって、頭、手、腕、胴、脚、足部などと色分けしてそれぞれを分離して識別することも、連続しているものであれば組み合わせて、例えば「下半身」として対象にまとめることもできるようになった。また、色指定の認識では背景と指定色が異なれば、背景に変化があっても抽出が可能であるため、測定の適用範囲が広がった。単なる最大利用空間ではなく、空間の利用頻度分布として求める機能と、その操作を容易にするために分析繰り返し機能を設けた。実際の応用として、車椅子乗車時の動作、睡眠時の動作範囲、携帯式ゲーム使用時において、動作範囲や姿勢の変化性などを測定した。また色指定の識別部分を小さなマークのようなものにして、中心座標を出力することで、特定点の動きを測定することも可能であり、椅子からの立ち上がり・腰掛け時の主要関節部分の動きの測定を試みた。以上の基本的な機能の改良と共に、実際の利用において有用な機能として、画像のファイル出力、印刷、背景画像の重ね合わせ、画面への格子の表示、色の設定、説明の表示などの機能を設けた。プログラムにおけるバグを完全に排除できない状態であるが、説明書を作成して公開を行なう予定である。
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