研究課題/領域番号 |
14550002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉崎 亮造 筑波大学, 物質工学系, 教授 (70011137)
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研究分担者 |
古谷野 有 筑波大学, 物質工学系, 講師 (00215419)
池田 博 筑波大学, 物質工学系, 講師 (50272167)
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キーワード | 高温超伝導 / Bi系銅酸化物 / ヒゲ結晶成長 / 単結晶 / 磁化ヒステリシス / セカンドピーク効果 |
研究概要 |
複合型層状ペロブスヵイトとして、Bi系銅酸化物高温超伝導体を選択した。この系は、いわゆるオーレビリュウス相といわれるBi-Tiペロブスカイト系の多様なホモロガス系に類似していることから、これらの相とのマッチングがとりやすいと考えられる。 接合型結晶成長の第一歩としてBi-2201相、Bi-2212相、およびBi-2223相のヒゲ結晶の成長を行った。従来報告されている方法を追試したが、得られた試料は完全な単相ではなく、他の相がインクルージョンとして混入していた、これまで純粋な単相のヒゲ結晶を成長させた報告は少なく、私たちはBi-2212相ヒゲ結晶の良質なヒゲ結晶の成長に成功し、電気抵抗測定、磁化測定から確かめられた。特に、セカンドピークといわれるヒステリシス磁化の特異な性質をヒゲ結晶では最初に確認できた。セカンドピーク磁場から見積もった異方性パラメータは300を超え、きわめて異方性の強い良質な結晶である。現在、選択した場所にヒゲ結晶を成長させる技術の開発に挑戦している。 Bi-2201相のバルク単結晶の改善に取り組んだ。Bi-2201相は最適化された超伝導転移温度が20K程度の時代を経て現在では30K程度であるとされてきた。私たちの作成した単結晶は、電気抵抗値がゼロとなる超伝導転移温度として初めて40Kを超え、41Kにまで到達したことを確認した。また、これらの結晶はヒステリシス磁化に明瞭なセカンドピークを示した。このことは、層状超伝導相の位相コヒーレンスが結晶全体に成り立つ良い結晶であることを示している。ホール効果の測定から、キャリヤー数はいわゆるオーバードープ領域に入っており、キャリヤー数を最適化することによってさらに超伝導転移温度が上昇する可能性がある。
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