• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

III-V族希薄磁性半導体のSiヘテロエピタキシーとその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14550005
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

内富 直隆  長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20313562)

研究分担者 神保 良夫  長岡技術科学大学, 工学部, 教務職員 (10134975)
山崎 誠  長岡工業高等専門学校, 教授 (90174474)
打木 久雄  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50142237)
キーワード多段階成長法 / ヘテロエピタキシー / GaAs-on-Si / 強磁性転移温度 / 異常ホール効果 / III-V族希薄磁性半導体 / 低温熱処理 / GaMnAs
研究概要

本研究は、現在GaAs基板に結晶成長されているIII-V族希薄磁性半導体をSi基板上にヘテロエピタキシャル成長させる技術の確立と、そのヘテロエピタキシャル層の電気的・磁気的特性を評価し、半導体ヘテロ接合デバイスの新たな機能性を探査することを目的としている。さらに、将来のシリコン集積回路技術への適応を目的として、シリコンプロセス技術との融合を考える。
初年度は、Si基板上へGaAsバッファー層を低温で多段階成長し、引き続きGaMnAsの薄膜成長を行い、成長技術について条件を詰めることができた。さらに、250℃でGaMnAsを低温アニールすることで、115Kの強磁性転移温度を観測することができた。
平成15年度は、Si基板上に成長したGaMnAs層のみを取り出し、Si基板上に成長したGaMnAsの電気的・磁気的な特性を測定することを試みた。これは、Si基板の影響を取り除き、基板の影響を受けないGaMnAsの特性を評価するもので、GaMnAsの強磁性転移温度の向上にヒントを与える可能性があると考えた。GaMnAs層をエポキシ樹脂により保護した後、裏面Si基板については、KOH溶液の選択エッチングにより取り除くことができた。その後、250℃の低温アニールを時間を変化させながらおこない、そのときのX線回折のピーク位置とホール測定による強磁性転移温度を時間ごとに見積もり、GaMnAs膜のアニールによる強磁性特性の変化を測定した。その結果、60分の熱処理を施すことにより、152Kの強磁性転移温度を観測することができ、これまでにGaMnAs薄膜について報告されている強磁性転移温度に比較して非常に高い値を得ることができた。この原因としては、成長時のSi基板との間のストレスの影響などが推測されるが、今後の研究課題のひとつである。今回の結果から、Si基板上のGaMnAs膜も高い強磁性転移温度を示すことが確認され、今後シリコンベースのスピントロニクスへの期待が広がると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 内富直隆, 佐藤慎哉, 神保良夫: "Growth and annealing effect of ferromagnetic(Ga,Mn)As on (100)Si substrates"Applied Surface Science. 216. 607-613 (2003)

  • [文献書誌] 内富直隆, 南保匡講, 石黒孝, 神保良夫: "Formation of submicron-size Mn-As blocks on GaAs (100) substrates"Surface Science. 546. 170-175 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi