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2003 年度 研究成果報告書概要

低温相の単分域強誘電体ニオブ酸カリウム結晶の直接合成

研究課題

研究課題/領域番号 14550010
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 応用物性・結晶工学
研究機関山口大学

研究代表者

小松 隆一  山口大学, 工学部, 助教授 (20314817)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
キーワードニオブ酸カリウム / 圧電素子 / 水溶液成長 / 水熱合成 / K_2NbO_3F / エンジニアード・ドメイン
研究概要

強誘電体斜方晶ニオブ酸カリウム(KNbO_3(KN))結晶は、弾性表面波、バルク波で大きな電機機械結合係数も示すことが最近明らかになり、次世代圧電材料として注目されている。しかし圧電素子として使用する為には大口径結晶育成が必要である。この結晶は、融液からの結晶成長で育成されている。しかし育成時には立方晶であるKNは、435℃で正方晶に、さらに225℃で斜方晶に相転移する。この相転移の為に、大口径結晶が出来ても、冷却時の相転移により、その後の単分域化処理が困難、そして相転移時のクラック発生等の解決すべき問題が多い。
本研究では、これらの問題を解決できる水溶液からのKN低温相の直接成長及び水熱合成を検討した。K_2NbO_3Fを水中で攪拌すると、K_2NbO_3Fは徐々に溶け、水溶液中はKNbO_3に過飽和になるので、KN結晶が生成する。この結晶はX線回折から斜方晶であり、低温相斜方晶KN結晶の直接生成が始めて出来た。24時間程度の攪拌では最大100μmのKN結晶が得られる。KN結晶の大きさは、原料として用いるK_2NbO_3F結晶粒径に相関する。これはK_2NbO_3Fの溶解速度が、K_2NbO_3F粒子が大きいと速くなり粒子が小さいと遅くなることので、過飽和度に違いが生じ、核生成密度がK_2NbO_3F粒子径により変化するためと思われる。より大きくなる条件についても検討した。このK_2NbO_3F粒子を用いた水熱合成も検討した。130-380℃、1-23kbarの温度圧力条件で合成を行い、KN結晶の生成を確認した。水熱合成によるKN結晶生成の報告は本研究が始めてである。水溶液からの実験結果と異なり、立方晶KN結晶が大部分であったが一部斜方晶KNであることがわかった。常圧では立方晶KNは435℃で安定であるが、本実験では130℃から立方晶KNが安定化した。これはKN中のカリウムを水素が一部置換したことによると推定される。斜方晶KN結晶は、細かい多分域結晶であり、有用なエンジニアードドメインであると思われる。生成する結晶が大きくする条件を検討し、核生成密度制御が重要であることが判った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ryuichi Komatsu et al.: "Growth of orthorhombic potassium Niobate crystals from aqeous solution"Proceeding of 150th committee on Acoustic Wave Device Technology 76^<th> technical meeting. 76. 1-6 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Ryuichi Komatsu et al.: "Direct growth of orthorhombic potassium niobate(KNbO_3) crystal from an aqeous sulution"Proceedings of the 13^<th> IEEE, ISAF. 419-423 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 山之内和彦他: "弾性波デバイス技術"日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会 オーム社(印刷中). 450 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Ryuichi Komatsu, Kensuke Adachi, Ko Ikeda: "Growth of orthorhombic potassium niobate crystals from the aqueous solution"Proceeding of 150^<th> Committee on Acoustic Wave Device Technology 76^<th> Technical meeting (Jan.28-29). 1-6 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Ryuichi Komatsu, Kensuke Adachi, Ko Ikeda: "Direct Growth of Orthorhombic Potassium Niobate (KNbO_3) Crystal from An Aqueous Solution"Proceedings of the 13^<th> IEEE, ISAF, Nara. 419-423 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yamanouchi Kazuhiko et al.: "Acoustic deices"ohmsha (in press). 450 (2004)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2005-04-19  

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