研究課題/領域番号 |
14550011
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
南川 慶二 徳島大学, 工学部, 助教授 (70250959)
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研究分担者 |
森 健 徳島大学, 工学部, 助手 (70335785)
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キーワード | ポリパラフェニレンビニレン / ポリエチレングリコール / 導電性 / ナノ導線 / 感熱応答 / 電場応答 / 自己組織化 |
研究概要 |
ポリパラフェニレンビニレン(PPV)10量体を、分子量の異なる末端アミノ化ポリエチレングリコール(PEG)と連結させ、還元することで3種類のブロックポリマーを得た。これらを良溶媒であるTHFに溶解し、PEGに対する選択溶媒である水を加えた。UVおよび蛍光スペクトル測定から、3種類すべてのポリマーにおいて、PPV部分が不溶化して会合していることが示された。ポリマーのTHF溶液をキャストし乾燥させた状態でTEM観察を行ったところ、PEGの分子量が小さい方の2つについては直径が十nm程度で長さが数百nmのひも状の集合体が観察された。一方、PEGの分子量の大きいものでは球状の集合体が観察された。次に、THF/水の混合溶媒中において、ブロックポリマーにPPVホモポリマーを混合させるとPPVホモポリマーを可溶化させることが明らかとなった。TEMにてこの可溶化された構造を観察したところ、ブロックポリマーのみの場合と同様のひも状集合体が観察されたことから、PPVコア部にホモポリマーが可溶化されていることが示唆された。 上記の実験と並行して、PPV以外の系についても、自己組織化による高分子集合体の調製を種々検討した。ポリ(アシルアミノアクリル酸アルキル)の感熱応答による集合体形成においてアルキル鎖の種類が及ぼす影響を検討し、アルキル鎖の置換で感熱応答の制御ができることを示した。PEGやポリプロピレングリコールなどの末端を種々の疎水基で修飾した高分子を合成した。水溶液中でこれら疎水化ポリエーテルの温度変化による集合体形成挙動を可視光透過率および蛍光測定などから明らかにした。これと同種のポリマーについて、電場による集合体形成についてレオロジー測定を中心に検討し、集合構造に起因する電場下での粘弾性の可逆変化(ER効果)を示すことを明らかにした。
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